
ストレスからくる病気
私たちは日常生活の中でストレッサーを経験すると、そのストレッサー自体を解決したり、ストレッサーによって引き起こされたストレス反応を緩和したりするためにさまざまな工夫をします。
これをストレスコーピングといいます。
ストレスコーピングが適切にされている場合は、表れていたストレス反応はだんだん低下していきます。
しかし、自分の対処能力を上回るほどのストレッサーを経験したり、ストレッサーが長期間続いたりするとストレス反応もだんだんと慢性化していきます。
ストレス反応が慢性化すると、まず活気が低下して、元気がなくなってきます。
この状態が解消されないままさらに続くと、イライラや不安感を覚えるようになります。
そして最終的には気分が落ち込んだり、ものごとがおっくうになるなどいわゆる「うつ」の状態に近づいていきます。
また、ストレス反応の慢性化は身体面での疾患に至ることもあります。
例)過換気症候群、過敏性腸症候群、円形脱毛症など
これらの疾患はストレス性の場合とそうでない場合があります。
ストレスが関係していると判断される場合には、体の治療とともにストレス状態の改善についても考慮する必要があります。
これらの状態になる前に自分のストレスに気づくことが重要になります。
では、ストレスがかかると表れるサインにはどんなものがあるのでしょうか。
ストレスがかかると表れるサイン
ある程度のストレスは、誰しも多かれ少なかれ自覚しているものです。
ストレスを過度にためずに適度なストレスとうまく付き合っていくコツのひとつとしては、ストレスの出すサインに気づき、自分のストレスを把握することがあげられます。
ストレスの出すサインには以下のようなものがあります。
- こころの面
悲しみ、憂うつ感
不安感、イライラ感、緊張感
無力感、やる気が出ない - 身体の面
食欲がなくなる、やせてきた
寝つきが悪い、朝早く目が覚める
動悸がする、血圧が上がる、手や足の裏に汗をかく - 行動の面
消極的になる、周囲との交流をさけるようになる
飲酒、喫煙量がふえる
身だしなみがだらしなくなる、落ち着きがない
これらのサインに気づいたら、あなたはストレスが処理しきれていないかもしれません。
放っておくと、上記のような病気につながってしまう恐れもあります。
早めに周囲に相談するなどストレスに対処することが大切です。
ストレスをため込んでしまう前に
では、ストレスに気づいたときに私たちはどう対処していくのが良いのでしょうか。
対処方法であるストレスコーピングについては、次の【ストレスコーピング③】でお話していきますね。