皆さんは、IQという言葉にはなんとなく聞き馴染みがあるかと思います。
IQが高いと天才だ、東大生はIQが120以上あるらしい……とか。
IQテスト、なんて名前のついた心理テストもネット上にはゴロゴロ転がっていますよね。

このIQをはかるために、日本の病院や施設でよく使われているのが<ウェクスラー式>と呼ばれる検査です。
(田中ビネー知能検査Ⅴ、K-ABCⅡといった検査を用いる場合もあります)

ではこのウェクスラー式の検査、いったい何が分かるのでしょうか?
また、そもそもIQや知能検査とはいったい何なのでしょうか?

その辺はもう知ってるよ!どこから予約するの?という方は、目次から予約のところまでお進みください。

心理検査と心理テストの違いについてはこちら👇

IQと知能検査

IQってなんのこと?

テレビでも聞くことの多いIQですが、そもそもどんなものを指した数値なのでしょうか?

IQ/知能指数

知能の水準あるいは発達の程度を測定した検査の結果を表す数値。
知能のおおまかな判断基準とされると同時に、知的障害(知的能力障害)などの診断や支援に利用される。

単に学習で覚えた知識や学力ではなく、様々な状況や環境に合理的に対処していくための土台となる能力を知能と捉え、それをわかりやすく数値化したものを知能指数と言います。

引用:e-ヘルスネット/厚生労働省

つまり単純に<勉強が出来るor出来ない><賢いor賢くない>ではなく、生活の中でうまく対処していくための力がどのくらいあるのかを数値として表したもの、ということですね。

この知能指数は、知能検査と呼ばれる検査を用いて測定されます。

そのため、それ以外の検査はいくらIQという言葉を使っていたとしても、心理学的な意味でのIQが結果として出ているわけではないのです。

知能検査ってどんな検査?

では、IQを測定するための知能検査とはどんな検査なのでしょうか。
ここでは、ウェクスラー式の検査を基本として説明していきたいと思います。
(知能検査の種類によって、調べられるものや数値の意味が異なるためです)

ウェクスラー式の知能検査では
①自分が同じ年齢くらいの人たちと比べてどのくらい能力があるのか
②自分の中で得意なことと苦手なことにどのくらいの差があるのか
ということが分かります。

①自分が同じ年齢くらいの人たちと比べてどのくらい能力があるのか(個人間差)
例えば、Aさんがテストで60点を取ったとします。
この時、その点数だけではAさんがよく出来たのか、はたまた出来なかったのかはよくわかりません。
なぜなら、そのテストが簡単だったのか難しかったのかが分からないからです。
このテストの平均点が30点なのか、90点なのかによって、Aさんの取った60点の意味は大きく異なりますよね。
このような例と同じように、ウェクスラー式の検査ではみんなが同じ検査を受けることで、周りと比べて自分がどの程度出来たのかということが客観的に把握できます。

②自分の中で得意なことと苦手なことにどのくらいの差があるのか(個人内差)
さて、ここでAさんが60点を取ったテストが数学だったとしましょう。
Aさんは英語では90点、国語では30点を取っていました。
全てのテストが同じくらい難しかったのであれば、Aさんは英語は得意だけれど、国語は苦手なのだと考えられます。
このように、その人がどんなことが得意で、どんなことが苦手なのかを数値にしてはっきりとあらわすことができます。

この①と②によって
③今後生活していく上でのヒント
を得ることが大きなポイントになります。

周りと比べてどんなことが得意でどんなことは苦手なのか。
この人にとってどんなことは取り組みやすくてどんなことは頑張ってもうまくできないのか。

起こっている問題があるのならば、検査を元にどうしてそれが起こるのか仮説を立てることによって、より取り組みやすい、生活しやすい環境を整えていくことが出来ます。

WAIS-Ⅳってどんな検査?

ここまで説明してきたウェクスラー式の検査には、年齢に応じて3つの種類があります。

2歳6か月~7歳3か月の幼児を対象としたWPPSI
5歳0か月~16歳11か月の児童を対象としたWISC
16歳~90歳11か月の大人を対象としたWAIS

つまりWAIS-Ⅳとはウェクスラー式の中でも、16歳以上を対象とした検査ということです。
何度か改定がされており、2018年に第4版が出されたものがこの検査になります。

ここまでにもお伝えしてきた通り
・IQがどのくらいなのか……知的な遅れがみられるのかどうか
・能力に凸凹があるのか……得意なこと苦手なことの差が平均よりも大きいのか
といったことが検査の結果からわかります。

発達障害の疑いがある方に対して実施されることも多い検査ですが
この検査だけで発達障害かどうかが分かるわけではありません。

検査を受けるときの注意点

ある程度勉強してから受けたら高いIQが出るかも!と思う方もいるかもしれませんが、大切なのはありのままの状態を評価することです。
そのため、検査を受けるためには前の検査からある程度の期間が空いていることが必要になります。

また、検査の内容を外部に漏らしてしまうことはタブーとされています。
何がでるか分かっているテストで、ありのままの評価は出来ませんよね。

検査の結果として出てくる数値や、推測できることはたくさんありますが、検査を受けた結果があなたの全てを決定づけるわけではありません。
先ほども述べましたが、この検査だけでは障害の有無は診断できないとされています。
参考の1つにはなりますが、結果が何かの診断名を明確に示すわけではないんです。

つまり、検査を受けることによって

自分の得意なこと、苦手なことを明確に把握し、生活しやすくすること
あくまでも特性を表す1つの資料として利用してもらうこと

が検査を受ける上では重要になります。

WAIS-Ⅳの予約方法

ここまで知能検査の1つであるWAIS-Ⅳの説明をしてきましたが、当カウンセリングルームではこの検査を受けることが可能です。

詳しくは以下のページをご参照ください!

検査はWAIS-Ⅳのみを受けていただくことも可能ですが、テストバッテリーといって別の種類の検査も一緒に受けていただくことで、よりいろんな面から検査を受ける人の特性を見ていくことが可能となります。

ご興味があれば、そちらもご検討ください♪