明日は試験なのに…

明日は<学校の試験がある><大事なプレゼンがある>
なのに用意をせずついつい部屋の片づけをしてみたり、近くにあった漫画を読んでみたり……
そういったことを経験したことはあるかもしれません。

このような行動を心理学用語で、セルフハンディキャッピング、といいます。

これは、特定の行動における困難に対して
あらかじめ積極的に対処しておくことで
自分の能力に関するイメージを守る手段
、です。

上記の例でいくと
特定の行動における困難=明日に控えた試験やプレゼン
あらかじめ対処しておく=部屋の片づけをする、近くにあった漫画を読む
ですね。

こうしておくことによって、試験やプレゼンの結果が芳しくなかったとしても
「本気を出さなかったからだ」と自分に言い聞かせることができます。
つまり、「本気を出したらもっとできた」と自分の能力に関するイメージを守っていわけですね。
また、結果が良かったならば、「本気を出さなくてもこれだけ出来る!」と思えるので
結果が成功・失敗どちらにせよ、自分の能力に関するイメージは守られています。

2種類のセルフハンディキャッピング

セルフハンディキャッピングには
実際の行動によるものと、自分の発言によるものの2種類があります。

先ほどの例は、前者の実際の行動によるものですね。
片づけをする、漫画をよむ、といった行動によって
自分の能力のイメージを守っています。

後者の自分の発言によるものは
「昨日すぐ寝ちゃったんだよね」「今日なんか体調悪いなあ」など
実際がどうかは別として、自分がその課題に直面していると知っている他者に
事前に発言しておくことです。
悪い結果になった時のための予防線をはっておくことで
自分の能力のイメージを守っています。

このように自分のこころを守るために使われるセルフハンディキャッピングですが
大きなデメリットもはらんでいます。

この方略を利用することによって
実際に課題を遂行できる成功確率が低下してしまいます。
特に行動を伴ったセルフハンディキャッピングの場合は
実際に必要なだけの用意をしていないのですから当然ですよね。

また、セルフハンディキャッピングをする人は
周囲の人から「非好意的に認知される」という研究結果もあるようです。

セルフハンディキャッピングと自尊心

セルフハンディキャッピングは
簡単に言うと、自分や他人に対する「言い訳」です。

失敗したくなくて、失敗して傷つくのが嫌で
出来るだけ失敗しないように、失敗しても傷つかないように、自分で自分を守る方法です。

失敗することって不安ですよね。怖いですよね。
そのあと何が起こるか分からないし、周りから何か言われるかもしれない。
自分の失敗がなにか大きな問題につながってしまったらどうしよう。
失望されるかもしれない。もう何も任せてもらえないかもしれない。

でも、よく見てみてください。
全部起こる「かもしれない」ことで、実際にそうなるかは分からないですよね。
その不安は、どのくらい「確からしい」のでしょうか。
あなたのこころが勝手に作り出して、自分で大きくしてはいないですか?

セルフハンディキャッピングを使っている人は
自尊心が低い人が多いとされています。

「どうせ自分はできない」「失敗するに決まっている」
そんな気持ちから、先読みした失敗に傷つかないために、ハンデを背負う。
ハンデを背負ったことで失敗して、「ほらやっぱりできなかった」と
出来ない自分が強められてしまう。
ハンデを負ってなかったら、出来たかもしれないのに。

自分もそうかな?と思った人は
そう思えたことが大きな一歩だと思います。
まずは、失敗は怖いけど、やってみるところから、はじめてみませんか?

1人では難しければ、周りの人に助けを求めることも大切です。
もし誰にも頼れない、周りの人には相談しづらい、ということがあるようでしたら
お気軽に相談にきてみてください。