どこまでが許せる?

どんなことは許せて、どんなことは許せないのか、それは人によって違います。
また、同じ人でもその時の気持ちの余裕によって許せる時と許せない時があるかもしれません。

自分を中心に円を描いてみると
・何も思わない範囲→OKゾーン
・我慢できる範囲→許容ゾーン
・許せない範囲→NGゾーン
というように3つの部分があるように思われます。

【NGゾーン】に入る事柄があること自体は悪いことではありません。
あなたの<怒り>という気持ちやその裏にある感情を否定する必要はないのです。

ただし
「あんな怒り方しなければよかった」
「あのときちゃんと怒っていればよかった」
と後悔をしないようにしていくことが大切です。

そのためには
あなたの持っている<怒り>という感情を理解して
自分がどんなことに怒るのかということを知っていく必要があります。
そのうえで
<怒り>と上手に付き合っていく方法(アンガーマネジメント)を練習していきましょう。

怒りのコントロール術~まずは自分の傾向を分析~

怒りメモをつける

まずは、怒りメモをつけてみましょう。

<怒り>を記録することは大切です。
いったん文字にすることでより具体的に自分の<怒り>をとらえることが出来ます。

<怒り>は強い感情であるため、時間がたつと細かい部分は忘れてしまいます。
しかし、記録をとれば
自分が【どんなときに】【何に対して】怒るのかという傾向が
わかってきます。

また、記録をする習慣をつけることで
記録をとっている間に一瞬冷静になることができます。
感情のままに反射的に怒る代わりに
自分の気持ちをいったん受け止めることができるからです。

記録のつけ方のポイント
①イラッとしたらその場で書く
②書いているときには一切分析をしない

記録する内容
【日時】【場所】【何があったか】
【それに対して思ったこと】【怒りの度合い(10段階)】

記録は何日分かたまってから、まとめて分析してください。
メモを書き続けることで
自分がどんなことに対して怒るのか、傾向と特徴を客観的につかめるようになります。
メモを見返してみると
【怒りの度合い】の少ない出来事で
「こんなことで怒ったっけ」と首をかしげることもあるかもしれません。
それをチェックしていくと、許せるゾーンが広がっていきます。

スマホや手帳などいつでも持っているものに
ササっと記しておきましょう。

怒りを4つに分ける

世の中には自分ではどうにもならないこともあります。
そして、どうにもならないことに「どうにかならないのか!」と怒っても
ストレスになるだけで、あなたに何の得もありません。

自分の力で変えることの出来る事柄なのか、そうでないのかを分別して
ムダな怒りを生じさせないようにすることが大切です。

・自分で変えられる(コントロール出来る)のか、変えられない(コントロール出来ない)のか
・自分にとって重要か、重要じゃないか

この2軸であなたの怒りを4つの種類に分けてみましょう。

A)自分では変えられないが、重要……電車が遅れてイライラ、クレームが入ってイライラ
公共交通機関の遅延や天気、他者の感情はあなたの力でコントロールできないものです。
しかし、その問題があなたにとって重要なのであれば対処しなければいけません。
電車が遅れているのであれば、別の交通機関を使うなど
変えられない現実を受け入れて、今できる行動をしましょう
また、コントロールできないことについてはそれを回避するように動くことも大切です。
例えば、電車が遅れてイライラする可能性があるならば
イライラしないように少し早く家を出るなどの方法を考えてみましょう。

B)自分で変えられて、重要……挨拶のできない部下にイライラ
重要な問題であり、自分で変えることが出来るのであれば
今すぐできる行動を起こしてみましょう
ただし、行動を起こすことで、問題が悪化する可能性もあります。
どのようにすればうまくいくのかをしっかりと考えることが重要です。
状況が、いつまでに、どの程度変わったら自分が許せるラインになるのかを決めておきましょう。

C)自分では変えられないし、重要でもない……満員電車にイライラ
コントロールできないことが重要でないならば
現実を受け入れて、放っておきましょう

D)自分で変えられるが、重要でない……部屋が散らかっていてイライラ
重要でないのであれば、いったん置いておきましょう。
余力のある時にやればOKです。
重要である場合と同じく
状況が、いつまでに、どの程度変わったら自分が許せるラインになるのか
決めておきましょう。

怒りの元になっている考え方をはっきりさせる

人によって、OKゾーンとNGゾーンが違うということは上で伝えた通りです。
つまり、同じ行動も見ても、OKと思う人とNGと思う人がいる。
怒りの元は相手の行動ではなく、自分の価値観にあるのです。
「~すべきだ」「~すべきでない」そんな自分の価値判断の基準から外れたことが起きる
つまり、自分の理想や期待が裏切られたとき、人は<怒り>を感じます。

さて、あなたにとっての「べき」には何があるのでしょうか。
代表的な6つの例をあげてみたいと思います。

①正義感が強く、道徳を重んじる
規律正しく、ルールを実直に守るべきだと考える人
ルールを守らない人には怒りを感じる
社会のルールやマナーに対して、自分の考えを他人に強要してしまうところがある

②用心深い
頭の回転が速く、人を見る目に長けているものの
人を簡単には信用しない臆病さがある人
自己評価は低く、批判を過敏に受け止めて疑い、怒りを感じる

③完璧主義
常に理論的で合理的、明確な判断ができる人
他人の優柔不断が許せず、あいまいな態度の人に怒りを感じる
物事を正しいか正しくないかの極端な基準で判断してしまうところがある

④思い込みが強い
自分の頭で考え、判断することが大切だと思っている人
自分が譲れないことに対して怒りを感じる
後に引けなくなったり、根拠のない思い込みをして、人の話に耳を傾けられないところがある

⑤自信家
どんな状況でも堂々としており、行動力があってリーダー的な存在の人
自信過剰で自己中心的になりがちであり、自分の基準に沿わないと怒りを感じる
他人をコントロールすることに罪悪感はなく
威圧するようなコミュニケーションになりやすいところがある

⑥自由奔放
あらゆる事象に可能性を見出して、目標達成を目指す人
自分の主張が通らないことに怒りを感じる
意見の違う人との会話も好きだが、相手の感情を考慮することが苦手なところがある

最初に行った”怒りメモ”から
自分がどのタイプの「べき」を持っているのかを明確にしましょう。
もちろん人にはいろいろな面があるため
ひとつのタイプには収まらないこともあります。

自分がどんな判断基準を持っているかを明確にしていると
そういう場面に遭遇しそうになったとき
回避することが可能になります。
また、回避できなくても、怒りにまかせて爆発してしまうことはなくなるかもしれません。

まずは、自分がどんな風に<怒り>を感じているのかを
しっかりと分析することが重要です。
そのうえで、やっぱり<怒り>を感じた時に
どう対処していくかについては
次の【アンガーマネジメント④】で説明させていただきます。