怒りのコントロール術 ~<怒り>にどう対処するか~
<怒り>を感じた時はどうしたらいいか
自分の<怒り>の傾向は分かってきたけれど
自分の「べき」に当てはまらないことが起きて
つい頭にカーっと血が上ってしまったとき
怒りのコントロールをトレーニングしているときには
起こりうることだと思います。
そんな時はどうしたらいいんでしょうか。
まずは瞬間的な<怒り>から距離を置くことが大切です。
でも、意識的に距離を置くことって難しいですよね。
そのため、いくつかの距離を置くための方法をお伝えします。
①6まで数える
1~6までゆっくりと数えてください
数えている間は、数字に意識を集中させることが大切です
とりあえず今の瞬間をやり過ごせば、反射的な<怒り>は回避できると考えられます
②カウントバック
ムカッときたら100から7ずつ順番に引いていきます
93、86、79……と計算していき、時間を置く方法です
7である必要はないのですが、少し考えないと計算できないくらいの難しさにしておきます
③コーピングマントラ
落ち着けそうなフレーズを自分の中で決めておき、その言葉を心の中で唱えます
「大丈夫」でも「ありがとう」でも「落ち着いて」でもなんでもいいです
言葉を用意しておいて、怒ったときに繰り返し使う呪文にしておきましょう
④深呼吸
ゆっくりと深呼吸をします
1、2、3、4と頭の中で数えながら鼻からゆっくりと息を吸い
5、6で止め
7、8、9、10で口からゆっくり息を吐きだしてください
ただし
カチンときたときには、感情の波が押し寄せてきて
対処法を行おうということは忘却の彼方に忘れ去られてしまうかもしれません。
最初はうまくいかなくてもいいです。
それでも繰り返し、試みてください。
何度もやっているうちに、<怒り>がわいた瞬間に
対処法が浮かんでくるようになっていきます。
<怒り>の伝え方
ここまで<怒り>について分析をし、対処を試みてきたあなたは
もう直情的に怒りをぶつけたりすることは少なくなっていることでしょう。
しかし、あなたの中に<怒り>にかくれた気持ちがわいていたのは事実。
ではその気持ちをどのように相手に伝えたらいいのでしょうか。
ここで例を1つあげてみましょう。
いつも期日までに書類の提出ができない部下がいるとします
いい加減ガマンの限界だけれど……。
こんなとき「いい加減にして!」と怒鳴ることが良くないのはもうお分かりですよね。
ではどうするのか。
自分がどうしてほしいのかというリクエストを伝え
その後ろに具体的な理由を添えてください。
「これからは期日までにお願いします」
「忙しいのは分かっているけれど、君が仕上げてくれないと、
次の作業に支障をきたすので、頼みますね」
これでOKです。
リクエストを伝えるときには
【OKワード】
「……をお願いします」「……でどうですか」「……してほしいです」
を使ってください。
【NGワード】
「前にも……」「前から……」「何で……」「また……」
このようなNGワードは言われたほうにとっては面白くないだけ。
まったく建設的ではなく、相手を責めるだけの言葉になってしまいますので注意です。
すべてを明確に、そして丁寧に伝えることが大切です。
そうすれば、相手の理解を促すことができます。
自分がやることへの必要性がわかると、結果、自分の中への責任もうまれてきます。
それでも相手が変わらなかった場合
それは”自分の力では変えられないこと(コントロール不可なこと)”なのです。
終わりに
いろいろと<怒り>という気持ちについて
触れてきましたがいかがだったでしょうか。
<怒り>は悪いものとして捉えられがちですが
何かに対して<怒り>を感じることそれ自体は
決して悪いことではないと思います。
それはあなたの大事な感情で
何かによって突き動かされた思いですから。
しかし、それによって日常生活に困難が生じたり
周りの人とうまくいかなかったりすることは問題ですよね。
あなたがどんなことに心を動かされるのか
何が許せないのか、その気持ちの裏にはどんな感情があるのか
イライラが抑えられない、という行動の陰には
あなたにとって、とても大事なことが潜んでいるのかもしれません。
もし、少しでも気になる部分があるようでしたら
是非お気軽にご予約ください。