そもそもどうなったら不登校なのか
まずは、不登校の法律上の定義を確認しましょう。
「何らかの心理的、情緒的、身体的若しくは社会的要因又は背景によって児童生徒が出席しない又はすることができない状況(病気又は経済的理由による場合を除く。)」とされています。
令和2年度の調査では、小学校・中学校の不登校児童は8年連続で増加していることが示されおり、その中でも90日以上欠席している児童が不登校児童全体の半数以上を占めています。
不登校の増加と長期化に対しては、学校だけではなく地域や民間団体が連携して対応することが求められています。
以前は、不登校に対して<その子ども自身に問題がある><怠けである>という認識も強かったのですが、平成4年に文部科学省が「不登校は特定の子どもに特有の問題があることによって起こることではなく“誰にでもおこりうる”」と捉え方を変えたことをきっかけに、不登校を本人のみの責任とすることは少なくなっています。
不登校の要因は<学校に起因するもの><家庭に起因するもの><本人に起因するもの>など多岐にわたりますが、それらが複合して原因となっている場合も多くなっています。
どのような背景があったとしても、自分ではどうすることもできない状況に陥り、ついに学校を休まざるを得なくなったと捉えることが、不登校支援においてはまず大切なことです。
不登校の要因
学校に起因する要因
・いじめ ・友人関係の問題 ・先生など学校に居る大人との関係の問題
・学業不振 ・進路への不安 ・クラブ活動の中での問題
・学校のきまりについての問題 ・入学や転校、進級に伴った問題
家庭に起因する要因
・家庭の生活環境の急激な変化 ・親子関係の問題
・家庭内の不和
本人に起因する要因
・生活リズムの乱れ、遊び、非行
・無気力、不安感
要因を取り除いたら登校できる?
学校の中に具体的な問題があるのであれば、それを排除し環境を整えることで登校するようになることもあるかもしれません。
ただし、本人が述べている問題が解決しても登校につながらない、ということもよくあります。
令和2年度の調査では、不登校の理由として「無気力・不安感」を挙げた児童・生徒は小学校・中学校共に50%弱となっており、多くの児童・生徒が自分ではどうすることもできない気持ちの問題で登校できていないことが見て取れます。
また、この「無気力・不安感」という項目に対しても、その他の要因が絡んだ結果の「無気力・不安感」も含まれていることが考えられます。
きっかけや悪化した要因は重要ではありますが、そのこと自体が問題の主体であるとは限りません。
単純に<なにか原因があった結果として不登校という事象が起きている>と捉えて犯人探しをするのではなく、今目の前にいる子どもがどんな気持ちを抱えているのか、どうしたいと思っているのかということをゆっくりと聞いてあげることが大切です。
どこに相談したらいいのか
不登校の相談先はまず学校が挙げられます。
担任の先生や、在籍しているスクールカウンセラーに相談することが出来ると、学校内での動きが見えやすいかと思われます。
続いて公的機関として、児童相談所が考えられます。
地域によっては、子ども相談センターなどの名前で窓口が設けられているようです。
専門の職員がおり、基本的には無料で相談にのってもらうことが出来ること、公的機関であるため比較的学校との連携も取りやすいことはメリットです。
しかしながら、地域によっては具体的な活動支援をしてもらえない場合もあることはデメリットとして挙げられます。
民間施設としては、精神科・心療内科クリニックやカウンセリングルームがあります。
クリニックでは、医学的な視点から睡眠や発達の課題がある場合は薬物療法などの対応も受けられます。
カウンセリングルームでは、子ども1人1人の状態を丁寧に捉え、登校を促すことだけを目標にするのではなく、幅広く子ども自身の自立を促すといった支援が受けられます。
より詳しい相談先の違いについてはこちらをご覧ください。
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子どもが学校に行かなくなると、これからどうなるんだろう……と先が見えず、不安な気持ちでいっぱいになってしまうと思います。保護者の方がいっぱいいっぱいになってしまうと、子どももそれを感じ取ります。まずは、お話だけでも聞かせていただけると嬉しいです。