学校に行けなかった、ワークが終わらなかった=頑張らなかった?

「今週は1日しか学校に行けませんでした」
「提出しないといけないワークが終わらなかったんです」
「朝起きれなくって1時間目に遅刻してしまいました」

不登校の子どもを持つ保護者の方から、落胆や失望と共に
こういった声をきくことがよくあります。
行動というのは目に見えてわかりやすいため
それに振り回されてしまって
気持ちが落ち着かない保護者の方が多いようです。

しかし、こういった実際に起こった「行動」だけで
子どもを判断することの危険性はご存じでしょうか?

学校に行けなかった、ワークが終わらなかった子どもは
はたして頑張っていないのでしょうか?

行動した結果で判断する危険性

「学校に行けたか、行けていないか」
「ワークが提出できたか、できていないか」

こういった極端な二択の考え方を「白黒思考」といいます。
敵か味方か、正義か悪か、勝ちか負けか。
小さいうちは、こういった考え方の方が分かりやすいので
この考え方になりがちなのですが
私たちは成長過程で、その間にもたくさんの可能性があることを学びます。

白と黒の間には灰色がある。
誰かにとって正義でも、他の人にとっては悪かもしれない。
勝負に勝って、試合に負けることもある。

私たちの生きる世界は、とても曖昧で、揺らぎのあるものなのです。

学校に行けていないのは、頑張りが0なのでしょうか。
行動には移せなかったけれど、いろいろ考えているのかもしれません。
もしかしたら一歩だけ布団から出てたかもしれません。
学校の用意をしなきゃ、と思ったかもしれません。
それを「結果として行けてないのだから意味がない」と
無かったことにはしないであげてください。

保護者の方の白黒思考は、子どもにも伝わります。

「学校に行かないと認めてもらえない」
「ワークを提出しないと認めてもらえない」

それは子どもにとって大きなプレッシャーになり
前に進めなくなってしまう恐れがあります。

「出来ないならやる意味がない」となると
「ワークを途中まで進めてもどうせ意味ないんだから最初からやらない」
「朝から学校に行けなきゃ意味ないんだから、もう行かない」
に繋がる可能性だってありますよね。

白と黒の間にあるものを認めていく

そうなってたかもしれない、と感じた方は
まずそれに気づくことがとても大切なのでこの時点で一歩前進です。

最初も触れた通り
行動は目に見えて分かるため
どうしても気になりやすくなってしまいます。

しかし、どうしてそう行動しているのかという子どもの気持ちを見ていくこと
その行動までの間にどんなプロセスを踏んでいるのかを考えること
それが出来ると、子どもとの関係が少し変わってくるかもしれません。

不登校のこどもの保護者へのカウンセリング|公認心理師 中田千晶(大阪)

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