なんとなく気分が乗らない
現代が「ストレス社会」と呼ばれ始めてしばらく経ちました。
仕事という観点では平成27年12月からストレスチェックが義務化され
少しずつ職場のメンタルヘルスについて意識が向けられることは
増えてきたのではないかと個人的には思っています。
実際に仕事に関する強いストレスを感じる人は
平成28年が59.5%であったのに対して
令和2年は54.2%と若干の低下を見せています。
しかしながら、未だに半数を超える人たちが
仕事に対して強いストレスを感じているのが現状です。
仕事だけにとどまらず、日常生活においても
人間関係のトラブルや病気、家庭の問題など
私たちは様々な要因によるストレスを常に抱えています。
こうしたストレスが原因となって
気分が落ち込んだり、なんとなく気が乗らなかったり、憂うつな感じがしたり
それは誰にでもあることですよね。
このような状態は、たいていの場合数日のうちに回復していきます。
気分転換をしてみたり、自分の中で整理がついたり……
なんらかの形で落ち込んでいた状態から立ち直り
また日常へと戻っていくことになります。
しかし、気分が落ち込んで一日中何もしたくない、何にも興味がわかない
といった状態が2週間以上続いている時は注意が必要です。
もしかすると、うつ状態になっているかもしれません。
うつ状態ってどんな状態?
うつ状態とは
気分が落ち込んで何もする気になれない、憂うつな気分など
不快感のあるこころの症状が強くなり
うつ病のいくつかの症状が持続している状態です。
うつ病、とは言えないまでも
ある程度こころのエネルギーが低下している状態をさします。
うつ病の手前の状態、と考えてもらうとわかりやすいかもしれません。
しかし、うつ状態がある人が全員うつ病になるわけではなく
うつ状態自体は脳梗塞や甲状腺機能障害など
他の病気においてもみられる症状となります。
うつ状態のときにあらわれる症状として
・抑うつ気分
気が滅入る、憂うつ、悲しい、寂しい、むなしい、くよくよ考え込むなどの
気分の落ち込みがみられます。
周囲からは、涙もろくなった、表情が暗いといったことが
観察される場合があります。
・興味、関心、喜びの喪失
趣味や娯楽などのこれまで楽しいと思えていたことに
興味が持てなくなったり楽しくなくなってしまったりします。
また、新聞やテレビ、仕事や勉強にも関心が向かなくなります。
・体重や食欲の変化
ごはんを食べたいと思えない、おいしいと感じられないといったことから
食欲が低下し、体重減少を伴うことがあります。
また、逆に食欲が増えて体重が増加する場合もあります。
どちらにせよ、大幅な体重の変化がみられます。
・睡眠の変化
寝つきが悪い(入眠困難)、途中で目が覚める(中途覚醒)、朝早くに目が覚める(早朝覚醒)など
睡眠に問題が出ることが多くみられます。
どれだけ寝てもすっきりせず、必要以上に眠ってしまうことから
過眠へとつながることもあります。
・無価値観、自責感
自己評価が極端に低くなり
自分は役に立たない、迷惑ばかりかけている
といった考えになりがちです。
・消えたい、死にたいという気持ちがわいてくる
上記の無価値観・自責感と関連し
役に立てない自分は消えたほうがいい、自分が居ないほうが周りは幸せだ
といった希死念慮(死にたいという気持ち)が生じることがあります。
・疲労感があり、気力が落ちる
疲れやすかったり、やる気がでなかったりと
物事に対して取り組む力が落ちてしまいます。
・思考力や集中力がなくなる、決断できなくなる
うまく考えがまとまらず、聞いたことや見たことが頭に残らないことが増え
小さなミスが増えたり、自分で物事を決めることができなくなります。
心当たりがある方は早めに相談を
代表的な症状をいくつか挙げましたが
そのほかにも身体の痛みや耳鳴り、めまいなど
うつ状態の症状は多彩であり「これがあったら」と限定しにくいものでもあります。
これまでは普通にできていたことが急にできなくなったり
気分が落ち込むことが長期間続いてる方は
一度心療内科や精神科などを受診してみることをお勧めします。
うつ状態は出来るだけ早い段階で改善することが大切です。
薬物療法と共にカウンセリングも試してみたい方は
是非予約フォームよりご相談ください。
https://first-counseling.info/psychotherapy/n-55