・朝起きづらいし頭痛もする、けど、仕事にはいける
・周囲に対して笑顔で対応できる、けど、気持ちは疲れていて本当は1人で過ごしたい
・仕事は問題なくこなしている、けど、家に帰ると疲れ果ててそのまま寝てしまう
当てはまる方は、実は表に出ていないうつ状態を抱えていらっしゃるかもしれません。
これらは、微笑みうつと呼ばれる状態の方にみられる症状です。
自分は、自分の周りのあの人は、微笑みうつかもしれないと思われる方は
1度本ページ内のチェックリストを確認してみてください。
うつ病にみられる1つの形ですが、異なるところがたくさんあります
多くの方は、「うつ病」ときくと
どんな状態を思い浮かべるでしょうか。
何にも興味がなくなって、やる気がでなくなって
一日中動けなかったり、気持ちが落ち込んでごはんが食べれなかったり
自分を責めてしまい、表情もなくなって…
そんな感じのイメージでしょうか。
目に見えてこれまでと違う、そんな風に感じているかもしれません。
しかし、実はそんな多くの症状が見えにくいうつの方もいます。
それが「微笑みうつ」と呼ばれる状態の方たちです。
「微笑みうつ」は正式な診断名ではありませんが
うつ病の1つの形態として「非定型うつ病」の中に属すると考えられています。
「微笑みうつ」の人たちは決して症状が出ていないわけではありません。
しかし、一般的に知られているうつのように、しんどさや辛さが表面化せず
外から見ると普通に生活が出来ているように見えてしまうのです。
周りから気づかれにくく
本人も「今はなんとかやれているから、うつではない」と思ってしまうため
知らず知らずのうちにうつ病が進行してしまい、自殺につながる恐れもあります。
微笑みうつのチェックリストと、なりやすい可能性がある人の特徴
チェックリスト
- 朝起きて、身支度をして仕事に向かうのがとても大変に感じる。
職場に着いてからは、元気な従業員として振る舞うことができる
(同僚に週末の予定を聞いたり、ランチの誘いにのるなど)が
その間も心ここに在らずといった空虚感を感じる。- 予算の調整や幼稚園で子どもたちの面倒を見るなど
仕事は何とかこなせるが、集中力が保てない。
家に帰るとクタクタで
夕食も食べず服も着替えずにベッドやソファで眠りに落ちてしまう。- セルフケアを最後にしたのが、いつかも思い出せない。
最低限のことをするのにエネルギーを使いはたし
ジムをさぼったり、不健康な食事で済ませたり
友人からの遊びの誘いをすっぽかしたりしてしまう。- 落ち込むことに対して罪悪感や恥辱感を持ったり
何もする気力が起きない自分を責めてしまったりして
常にネガティブな感情が湧いてしまう。- 受動的な自殺念慮(死にたい気持ち)がある。
積極的に命を絶とうとはしないが
事故などで突然命を失うことを想像しても動揺を感じない。
出典:自分でも気づきにくい「微笑みうつ病」とはどんなものか?症状とセルフチェック方法
これらのチェック項目の中に当てはまるものがある方は要注意です。
また、2週間以上の間ほぼ毎日これらの項目に当てはまるものがある方は
一度精神科や心療内科を予約されることをお勧めします。
うつ病になることは、あなたが悪いわけでも弱いわけでもありません。
助けを求めることは、時にはなによりも勇気のある行動です。
なりやすい可能性がある人
ここに記述する項目に当てはまるからといって
必ずしも微笑みうつになるわけではありません。
しかし、このような特徴がある人は、日々の環境の中で
なりやすい要素は含まれているかな、と思います。
- 自分の気持ちを抑えてしまう人
自分の辛さやしんどさを周りに伝えることをせず
むしろ逆に元気なふりをしてしまうなど
感情と逆の方向に行動してしまうところのある人です。
そのような生活を送っていると、自然と疲れはたまりやすくなります。
その結果、気づいたときにはしんどさで身動きが取れなくなってしまっていることがあります。 - コンプレックスのある人/自己肯定感の低い人
コンプレックスがあったり、自己肯定感の低い人は
自分を良く見せようと必要以上に頑張る傾向があります。
”嫌なところを見せると嫌われるのではないか”
”出来ないところを見られたくない”
そんな風に必死に自分を隠そうとすることによって
外から見れば上手に振舞えているかもしれませんが
かなり無理をしてしんどくなってしまっていることがあります。 - 真面目で責任感の強い人
これは一般的なうつ病と同じです。
仕事をやすんではいけない、自分が頑張らなければ、と
自分の限界を超えて頑張りすぎてしまうと、うつにつながる恐れがあります。
また、真面目な方は目標設定が高い方も多くいらっしゃいます。
理想に近づくための努力は大切ですが、あまり高い目標を掲げると
今の自分が常に「足りていない」状態となり、自己否定の気持ちが強くなってしまいます。
微笑みうつ病の危険性
一般的なイメージのうつ病と比べて
笑顔でごまかせるってことは軽症なんでしょ?と思う方も
いらっしゃるかもしれません。
確かに、うつの度合いで考えると軽度~中等度にあたるかと思います。
しかし重度のうつ病の方と比べて、自分の意思で積極的に動くエネルギーがある分
自殺を実行してしまいやすいと考えられています。
しかも、周りからは普通に生活していたと思われているため
どうしてそうなったのか分からず、事前に気づくことも難しいのです。
まずは、自分がうつ病の可能性があると自覚することが大切です。
上記のチェックリストに当てはまる方や
当てはまりそうな人が周りに居る方は
治療が必要であるという可能性を正しく理解してください。
精神科や心療内科に行くことは、決しておかしなことではありません。
腹痛で内科にいくことや、足を折って整形外科に行くのと同じです。
うつ病の治療に関しては
薬物療法や認知行動療法が有用であると言われています。
心理的なアプローチである認知行動療法に興味のある方は
一度お気軽にお尋ねください。
ブレンド認知行動療法とは、簡易型認知行動療法の1つであり、これまでの認知行動療法よりも手順が簡素化され、取り組みやすいと考えられています。軽度~中等度のうつ状態を抱える方は、1度取り組まれてみることをお勧めします。