お風呂に入れない
メンタルヘルスの現場で働いていると
「お風呂に入れないんです」という言葉を聞くことはよくあります。
健康な人から見ると
「え?お風呂の何がしんどいの?」
「気持ちがすっきりするのに何で入らないの?」
「清潔感がない!」
と思うかもしれません。
しかし、入らないのではなく、入れない、ということを周りの人たちには
分かっていただきたいと思います。
本人も、毎日お風呂に入ったほうがいい、ということは理解しているのです。
なんでお風呂に入れないのか
健康な人にとってお風呂に入ることは日常生活の中のルーティンであり
なにも考えずにこなすことが出来ると思います。
しかし、こころのエネルギーが低くなっている人にとって
お風呂に入ることはとってもエネルギーを使うことなのです。
実は、普段考えていないだけで、お風呂に入るということに対して
私たちはたくさんのプロセスを行っています。
お風呂を洗う→お湯をはる→タオルなどを用意する→身体と頭を洗う→お風呂につかる
→身体をふく→着替える→髪をかわかす……
普段は気にならないこの1つ1つの活動でも
うつ状態のときや、こころの調子が悪いときには
大きなハードルになり、疲れて動けなくなってしまうのです。
お風呂に入れないときは…
それでもなんとかこのくらいは…と頑張ってしまうと、エネルギーは消耗するばかり。
出来ることからコツコツと、が大切かと思います。
今はお風呂に入れないときのためのふき取りシートもありますし
デオドラントスプレーも売っています。
それらを活用しながら、エネルギーがあるときにしっかりお風呂に入るのも1つです。
また
お風呂には入れないけど、シャワーならいけそう
お風呂につかるだけなら出来るかもしれない
などその時の自分の状態にあわせて、たくさんのプロセスの中のできるところだけ
行ってもよいかもしれません。
日常生活の中で普通にできていたことが、最近ちょっと難しくなってるな
と感じられたときは1度ご相談に来てみてください。