ネット・ゲーム依存

インターネットは、時間と場所を選ばずに利用でき
その便利さと魅力から生活になくてはならないものとなっています。

私自身もネットを通じていろいろな人と交流することも多いですし
YouTubeで動画を見たり、Twitterのタイムラインを追ったり
一般的な人よりは日々スマホとネットに浸った生活を送っていると思います。

ゲームをすることも大好きなので
スマホゲーム、PCゲーム、据え置きゲームなどあまりこだわりなく
いろいろと手を出して遊んでいます。

しかしながら、SNSもゲームも、楽しく適度に使えているうちはいいのですが
人間関係や日常生活に支障が出たり、健康を害する場合は問題となってきますよね。

ネット依存とは、インターネット(オンラインゲームも含む)を過剰に使用し
自分でコントロールができなくなり
日常生活を送る上で支障や問題が発生している状態のことを言います。

ネット依存という言葉はまだ精神疾患として認められてはいないのですが
ゲーム障害(gaming disorder)については
2022年1月から、新たな依存症として仲間入りしています。
つまり、ネット依存がアルコールやドラッグと並び
治療が必要な疾病として扱われることになったということです。

ここでは大きな括りとして
ゲーム障害を含んだ”ネット依存”について
触れていきたいと思います。

ネット依存の症状と問題

4つの症状

ネット依存には大きく分けて4つの症状があります。

①過剰使用
時間の感覚を忘れて長時間にわたりネットを使いすぎてしまい
日常的な活動をおろそかにする。

②離脱
ネットを取り上げられたり、ネットができなくなったりしたときに
イライラ、緊張した状態、うつ的な気分になる。

③耐性
使用するうちに、使い始めた頃よりも、より良い設備やソフトウェアを求める。
ネットを使う時間が次第に増えていく。

④悪影響
家族や友人との対人関係が悪くなる
学校・仕事に遅刻・欠席する、疲れやすいなど身体面に問題が出る
といった様々な面に支障が出ている。

その他
家出、暴言、暴力、警察沙汰など

問題

ネット依存に陥ると
様々な領域において問題が発生します。

①学業・仕事・金銭面……遅刻・欠席・失職・家事困難・作業能力低下など

②精神面……イライラ・うつ・不安・昼夜逆転など

③身体面……運動機能低下・やせ・肥満など

④人間関係……周囲の人間関係での不和・孤立など

問題が繰り返されると
本人は自責感や罪悪感からますますネットの世界に逃れたくなります。

ネット依存の予防

ネット依存を予防する主なポイントは3つ挙げられます。

①家庭内の使用ルールをつくること
家族間で、ネットやゲームに対して使用ルールを作っておくことは大切です。
「ゲームは一日〇時間」「食事の時はスマホは遠くに置いておく」など
使用する時間、ダウンロードや課金についてなど利用方法全般について決まりを設けておきましょう。
ルールを作るうえでは、子どもに自分で考えもらうことが重要です。
大人の意見を押し付けるのではなく、子どもが自分で考えたルールをもとに
話し合って決めていくのが良いでしょう。
また、口約束にするとルールがあいまいになってしまう恐れがあります。
決めたルールは必ず、書面化し、家族全員が同じ認識を持てるようにしておきましょう。
ルールを運用するにあたっては
お互いにルールを破らないことが必要になります。
子どもが決められたルールの中でネットを使うのはもちろんのこと
親は許された時間内の子どものネット活用に対しては必要以上に口を挟まないよう
気を付けましょう。

②デジタル端末の制限機能の活用
スマホやゲーム、動画サイトはついつい長時間使いたくなってしまいます。
ルールを決めても、子どもの意思だけですぐに守ることが出来るとは限りません。
そのため、スマホやタブレットの制限機能を上手に活用しましょう。

子どもに有害と思われるページを制限する【フィルタリング】
決められた時間以降、ネットへのアクセスを不可にする【タイマー機能】
保護者が子どものスマホ機能を制限する【ペアレンタルコントロール】

これらの制限機能をかけることも、子どもと相談したほうがよいかと思います。
ネット上には制限を解除するアドバイスが山ほどあり、制限機能は万能ではありません。
お互いに納得した上で、①で作ったルールに従って機能を使っていけると良いですね。
※フィルタリングについてはスマホの購入にあたって、元々つける約束をしておいたほうが
よいかもしれません。

③家族間のコミュニケーションを密にすること
家族の間で交わしたルールや制限機能を効果的に働かせるためには
親子の信頼関係が前提になります。
普段から家庭でコミュニケーションを取って
子どもの思いを理解する姿勢を持つことが依存の予防へとつながります。

終わりに

ネットやゲーム自体は決して悪いものではなく
その使い方次第が大切になってくる問題であると思います。

モノに振り回されることなく、自立して生きていくために
うまく使っていくことが出来る力をつけておくことが大切ですね。

ネットやゲームとの付き合い方で困っていることや相談されたいことがある場合は
お気軽にカウンセリング予約もご検討ください。

不登校のこどもの保護者へのカウンセリング|公認心理師 中田千晶(大阪)

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