ちょっとしたことでイライラしてしまう……
怒って周りに当たってしまう……
本当はコントロールしたいのに、つい感情的になってしまってとめられない……
ネガティブな感情が自分でコントロールできずに、困ってしまっていませんか?
周りと円滑にやっていくためには、自分で自分の気持ちをコントロールすることは大切です。
しかし、そもそも感情をコントロールするとはどういうことなのでしょう?
日々の生活の中で気持ちが揺れ動くのは当然のことだが……
人が生活をする中で、ポジティブ・ネガティブに関わらず様々な感情が出てくるのは当然のことです。
しかし、社会の中で周囲の人と関わりながら生きていくためには、ポジティブはまだしもネガティブな感情は状況に応じてコントロールすることが求められます。
ネガティブな感情がコントロール出来ないと
・周りの人や物に当たり散らす
・攻撃的な言葉を使ってしまう
・ずっと気になって仕事や勉強が手につかない
といったことが起こります。
そうすると、周囲から“ヒステリックな人”“自己管理の出来ない人”と思われて、信頼を失ったり、関係を築けなくなったりしてしまうのです。また、この状況はコントロール出来ていない本人にとってもしんどいもの。ストレスによる頭痛や腹痛など体調を崩してしまうこともあります。
その感情は本当にコントロール出来ていないのか?
ところで、<感情をコントロール出来ない人>について話をしていましたが、その人たちは本当に<感情をコントロール出来ていない>のでしょうか?
例えばこんな場面を想像してみてください。
定時になったけれども自分はまだ仕事をたくさん抱えている。
今日の夜は友人との待ち合わせがあります。
早く切り上げたいなあと思いながらも、目の前には明日までに仕上げなければいけない書類。
そんな中、同僚のAが帰り支度をしているのが視界に入りました。
Aは要領が良く、仕事は持ち越さずにいつも定時で帰ります。
A「では、お先に失礼します。お疲れ様です」
終わりそうにない書類を見て自分は途方にくれるしかない。
早く終わらせないと約束に間に合わないが、焦れば焦るほど集中できません。
どうして自分ばかりこんな目に……同僚がまだ働いているのだから手伝ってくれたっていいじゃないか、と怒りが湧いてくるかもしれません。
「お前は上司に好かれてていいよな!定時で帰るなんて手を抜いても許されるんだから」
そんな言葉をついぶつけてしまいました。
想像できたでしょうか?もしかしたら経験がある方もいるかもしれません。
言った後で後悔しても、出した言葉はひっこめられません。
そんなことを続けていると、周りから冷ややかな目で見られるようになっていきます。
自分でも言いたくて言っているわけではない、そんなことを言ってしまう自分に嫌な気持ちになってしまうこともあるでしょう。
それでも、イライラすることは続き、そうなった時にはつい言葉に出てしまいます。
そうしているうちに段々職場での人間関係がうまくいかなくなってしまいますよね。
こんな状態は誰にとっても不利益しかありません。
そのため<気持ちをコントロールできるようになりたい>と考えるわけです。
しかし、ここでもう一度想像してみてください。
この場に上司が居ても、この人は同じ言葉を口に出したでしょうか?
もしかしたら、それでもコントロール出来ずに出してしまう人もいるかもしれません。
一方で、上司がいる場であれば口には出さなかったという人もいるでしょう。
では、上司が居たら口には出さなかったという場合、この時コントロールできなかったはずの“ネガティブな感情”はどこにいったのでしょう?
本当にコントロール出来ないものなのであれば、こんな風に状況によって出し入れできませんよね。
上司がいようが、社長がいようが、どんな状況だろうが、あたり構わず口に出して相手にぶつけているはずです。
しかし、そうする時としない時がある。
人はネガティブな感情を無意識にコントロールしているんです。
つまり、どんな状況でも自分のこころのままに気持ちをぶつけてしまう!という人以外は、元々コントロールする力を持っているということになります。
ネガティブな感情をコントロールすること
さて、元々コントロールする力を持っているのであれば、あとはそれをいつでも使えるようになるだけです。
0から作り出さなくてもいいので、少し出来そうな気がしてきませんか?
持っているものをうまく使えるようになるためには何が必要なのか。
それは“練習”です。
いくつかの方法については、アンガーマネジメントのページであげておりますので、そちらもご確認いただければと思います。
また、基本的な生活を安定させることも、持っている資質を自分の力で使っていくためには重要です。
疲れている時や眠たい時には、誰でも自分をコントロールする力は弱くなってしまいます。
そのため、しっかりと睡眠をとること・バランスのとれた食事をすること・疲れを感じたら休むこと、といった基本的な生活習慣はとても大切です。
生活を整えて、アンガーマネジメントを試したけれど変わらない場合
色々と試してみたけれど、ネガティブな感情が抑えられない、という場合は以下のような障害や疾病が関連している場合もあります。
元々持っているコントロールの力が極端に弱かったり、コントロールする力が病気で働かない状態になってしまっているという場合です。
・ADHD
注意欠如・多動性障害(または注意欠如・多動性障害)と呼ばれる、発達障害のひとつ。
不注意、多動、衝動性を主な症状としています。
この特性から、行動や感情をコントロールすることが苦手であり、衝動的に動いてしまうことがあります。
・ASD
自閉スペクトラム障害と呼ばれる、発達障害のひとつ。
この障害を持つ人の特性には、気分を切り替えられない・急な予定変更に柔軟に対応できない・他人と意思疎通が苦手というものがあります。
そのため、自分の想像と現実との違いから怒りが起こりやすく、一度怒りを感じると気分をリセットしにくいために、長く怒りを持続させてしまうことがあります。
・うつ病
憂うつな気分・悲しい・気分の落ち込みや悲観的になるといったものがよく知られている症状ですが、ささいなことにも反応して不機嫌になってしまうイライラ感や、相手の行動を否定的に解釈してしまうというものも症状としてあげられます。
・幼少期の養育環境によるもの
気持ちのコントロールは、他者とのあいだにある多様なやりとりによってその方法を学んでいくという要素があります。
人は幼少期の保護者との関係の中で「気持ちをなだめてもらう」「気持ちをコントロールしてうまくいく」という経験を経ることによって気持ちのコントロールを学びます。
そのため、養育環境の中で適切なやりとりが行われなかった場合、過剰に感情を表出したり、あるいは抑制したりしてしまうことがあります。
そしてそれが大人になっても続いていってしまうのです。
このような方の中には、アダルトチルドレンに該当する方もいらっしゃいます。
自分ひとりでコントールの練習をするのは難しい
コントロールの練習が必要ということは分かったけれど、それを1人で行うのは難しい・どうしたらいいのかよく分からない、という場合はカウンセリングの中で一緒に考えていくことが可能です。
また、コントロールの難しさの裏に上記のような様々な特性を抱えている場合もあります。
幼少期の養育環境などからくるコントロールの難しさについては、カウンセリングでその時の自分の感覚と向き合う時間を作るのも1つです。
このページをご覧になっているということは、感情のコントロールが出来ないことであなた自身がとても困っているのかもしれません。本当は周りの人ともっとうまくやりたいという気持ちがあるのではないでしょうか。
1人で悩んでどうしようもなくなってしまう前に、まずは一度お気軽にご相談いただければと思います。