それって本当に話し合いになっていますか
夫婦問題でも、親子関係でも、会社の人間関係でも、人と人が絡む問題にはお互いの意見の対立がつきものです。それ自体は決して悪いことではありません。
別々の人間なのですから、ある意味当たり前のことですよね。
意見が対立したときに、話し合いをしてよりよい着地点に落ち着くのがベスト。
しかし、実は片方が話し合いをしているつもりでも相手から見たら意見の押し付けや、喧嘩になっていることがあります。
「お前はいつもそうだ…」
「前も言ったと思うんだけど…」
「あなたのそういうところが…」
強い言葉で相手を負かしてしまってはいませんか?
自分の思い通りに動かそうとしてしまってはいませんか?
話し合いはどちらの意見を通すかの勝負ではありません。
思い当たるところがある方はその話し合いの目的が何なのか、今一度考える必要があるかもしれません。
話し合いをするときのコツ
お互いにとってより良い話し合いをするためには、いくつかのコツがあります。
①感情的にならないこと
人はストレスを受けると、脳の中の偏桃体というところが活性化します。
すると、偏桃体はストレスホルモンという物質をたくさん出します。
その結果、理性よりも感情が優先されてしまい、コミュニケーションが成り立たなくなってしまいます。
感情的になってしまっている時は、まず一呼吸置くことが大切です。
②相手を責めないこと
先ほども書いたように、話し合いはあなたと相手の勝負ではありません。
何か問題となる事柄が発生しており、その解決に向けてお互いに方法を考える場のはずです。
「あなたがこうしてくれたらよかった」「お前が動かないからこうなった」など相手を主語にして責めることは、お互いに不満が募るだけで何もメリットはありません。
相手を責めるのではなく、自分がどう思ったのかを伝えましょう。
「私は~~に対して……だと思った」「私は自分が否定されたように感じた」などの言い方になります。
×「私はあなたが~~しないほうがいいと思う」:結局”あなた”が主語になっている
×「私は……だと思うから、〇〇してね」:気持ちを伝えるのではなく指示を出してしまっている
③過去を蒸し返さない
前にも同じことを言ったのに……と思うとついそれを言葉に出したくなってしまいますが、過去のことを蒸し返すと「前はこういった」「あの時はこうだった」と言い合いにしかなりません。
それでは話が前に進まないため、今感じていることのみに言及することが重要です。
④相手の言葉に耳を傾ける
相手の言葉や考え方に対して、”こういうことだろう”と思い込んでしまうことがあります。
特にお互いストレスを感じている時は、ちょっとした言葉でもうまく伝わらなかったりするものです。
これを相手に確認しないままでいると、すれ違いがうまれ、取り返しがつかなくなってしまうことも。
誤解をしないためにも「それってこういうこと?」「私はあなたが〇〇と思っていると感じたんだけど、あってる?」と疑問を感じたらその都度確認していきましょう。
これらと共通する部分も多くありますが、アサーティブな話し方を心がけることも大切なポイントの1つとなります。
社会の中で必要とされている”コミュ力”。どんな力なのか、なんとなくで捉えている方も多いかもしれません。ここでは、コミュニケーションのスキルの中で、相手に適切に自分の意見を伝える力<アサーション>についてお伝えします。
お互いのこれからのためにより良い話し合いを
どんなに仲のいい相手であっても考え方が全て一緒なわけではありません。
どこかでぶつかることは出てくるかと思います。
その時に、ただぶつかるのではなく、よりお互いを分かり合えるように話し合いが出来るといいですよね。
また、違いを全て解決しないといけないわけではありません。
認め合える部分、お互いが許しあえる部分であれば話し合う必要もないかもしれません。
お互いだけだとどうしても話が進まない、第三者を入れたほうが話しやすい、実際こういうときはどう言ったらいいんだろう……などありましたら、お気軽にご予約くださいね。