周りからどう思われるか、どう見られるかが気になって落ち着かない

程度の差はあるものの人前に立ったり、初対面の人に会うときは緊張するものですよね。

「人からどう思われているか」が気になることが全くないという人は稀ではないかな、と思います。
ただし、この頻度が多かったり、程度が大きかったりすると日常生活を送るうえでとてもしんどくなってしまうでしょう。

「自分はこう思うけど、それを言ったらどう思われるかな」
「バカな人だと思われたらどうしよう」

そんな風に感じると自分の気持ちが伝えられず、もやもやをため込んでしまうことになるかもしれません。

必要以上に周りの目が気になってしまうのはどうしてなのでしょうか。

これまでの経験の中で得られたもの、得られなかったもの

人は小さいころからの周囲との関わりの中で社会性を身に着けていきます。

赤ちゃんのうちは周りの目など気にしていませんが、幼児期になると周囲の大人の反応を確認するようになります。
最初は自分が安心できるよう、保護者のそばを離れません。
そうしているうちにだんだん自分の身の回りの世話をしてくれたり、安全を守ってくれる人を信頼し、その人を「安全基地」として、周囲の探索に出ることとなります。

子どもは探索に出ると、<安全基地>とした大人の反応を見ながら自分の触れるものが安全か、危険かを判断します。
これが人にとって初めての「周りの目を気にする」という経験になると思います。
大人が笑っていたら大丈夫、眉をしかめていたら危険かもしれない……そんな風に相手の表情を窺って行動し、社会性を身につけていくことになります。

幼児期のうちは自分では判断のつかないことも多いため、他者に判断をゆだね、その様子を見て自分の行動を決めることになりますが、安心できる環境でたくさんの成功や失敗の経験を積んでいくことで次第に自分で物事を判断し、選択していけるようになります。

しかし、この時期に「安心の出来る状況で」「自分で判断する」「自分で選択する」という経験をうまく積めずにいると、<周りの目を気にする>という部分だけが残ってしまうことになります。
例えば、自分で決めたことに対して周囲から強い否定を繰り返し受けた経験や自分の出来る範囲を超えた評価を受けた経験、逆に無理な要求をされた経験などがあると必要以上に人の目を気にするようになってしまいます。

その結果、自分の判断に自信が持てず、周りからの評価への不安が高くなってしまうのです。

周りの目が気になるとき、あなたは何を気にしているのか

周りの目が気になる人が気にしているのは<自分への評価>です。

自分が、どう見られているのか
自分が、嫌われないか
自分が、悪く言われることがないか

その視点は全て「自分」に向いています。

相手がどう感じるのかが心配で、とおっしゃる方も多いのですが、相手が実際にどう感じているのかはいくら考えても本当のところは分かりません。
また、分かったところでそれを他人が変えることもできません。
つまり考えてもどうしようもないのです。
どうしても相手がどう思うか気になる場合は、聞いてみて教えてもらうのが一番でしょう。
そうして実際に聞いてみると、思っていたのとは全然違った、なんてこともよくあるのです。

さて、<自分への評価>を気にしている、という点についてですが
悪い評価をされたら、いったいどうなるのでしょう?
それはあなたにとってなにか損になるのでしょうか?

100人の人間が居て、100人に好かれる人はいません。
あなたがどれだけ素晴らしい人間になったとしても、素晴らしいという理由だけであなたを嫌う人はいます。
あなたが好意を寄せた人があなたのことを嫌いであることも、あなたが嫌いだと感じる人があなたに好意を寄せることもあります。

ネガティブな感情を向けられるのは誰だって嫌です。出来れば避けたいと思うでしょう。
しかし、そうして気にしているうちに、向けられた評価が絶対であるように感じて、自分で自分にネガティブな感情を向けるようになってしまいます。
<自分への評価>の多くは自分では変えられず、それを受け止めるしかないのです。

自分への評価が気になって、相手の言葉の意味を深追いしてしまうときはいったん外に意識を向けてみるといいかもしれません。
失敗したらどう思われるか不安だからやるべきことを避ける、のではなく、失敗しないように精一杯出来ることをする、ことが大切です。
やるべき事柄があるのであれば、それをしっかりとこなすことをまず心がけましょう。

あなたの人生は、あなたが責任を取らなければ誰も責任を取ってくれません。
あなたに悪い評価を下すかもしれない人も、いい評価をもたらす人も、誰一人としてあなたの人生の責任は負っていないのです。
あなたがあなたの判断で、あなたの選択で、生きていく必要があるのです。

行動を起こすとき、本来の目的を意識してみてください。
あなたは人から好かれるためにその行動を起こすのでしょうか?
何か目的があったのではないですか。

物事の見方、捉え方を変えたい、と感じられる方は是非1度ご相談に来ていただくのも1つかもしれません。

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