自分を大切に出来ない人は他人も大切にできない、とよく言われます。
これに対して
自分を大切にしたら他人のことは大切にできないんじゃない?
自分を大切にするのと、他人を大切にするのは別のことでしょ?
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、本当に相手のことを大切にできるようになるためには自分のことを大切にすることは不可欠なのです。
自分を大切にする=自己中心的になる、ってこと?
<自分を大切にする>という話をすると、それって自己中と何が違うの?と思われてしまうことも多くあります。
しかし、自分を大切にすることと自己中心的であることは全くと言っていいほど違います。
では<自分を大切にする>とはどういうことなのでしょう?
<自分を大切にする>ことは、自分がどうありたいか・どうしたいかという思いを大切にすることであり、自分の心と身体を大切にすることです。
嫌なことは嫌だと言う
しんどい時はちゃんと休む
好きなものやしたいことを優先する
そういったことがちゃんと出来ているかどうかがポイントです。
さらに、<自分を大切にする>ことは自分と他人は違うものだと認識することでもあります。
自分には自分の、他人には他人の考え方があって、それぞれ違っても良いということを理解できていることが重要です。
自分が正しいのか相手が正しいのかという二者択一ではなく、お互いに考えがあって、それを尊重するためにはどうしたらいいかを考えられることが<自分を大切にする>ことです。
自己中心的であることとはここが大きく異なります。
自分と他人が違うものだという部分が理解できていないと、自分がしたいことを一方的に押し付けてしまうことにつながります。自分がしたいことはこれだけれど、相手にもしたいことがある。自分がしたいことは伝えたうえで、じゃあどうしたらいいんだろう?と考えるのが<自分を大切にする>ことです。
自分を大切にすることと、他人を大切にすることは別の話?
確かに自分を大切にしていなくても、相手のことを考えることは出来ますし、相手のためになるように行動することも出来るでしょう。
そういった意味では別の話のように感じられるかもしれません。
しかし、自分を大切に出来ていない人は自分の中にどこか足りない部分をいつも抱えています。
満たされない思いを満たすために、相手のことを利用してしまいやすいのです。
例えば、やってあげたことに対して見返りを求める、気付いてもらえないと嫌味を言う、相手が自分でやらないといけないことまでやってしまう……
相手のために行っているように見えることが、まわりまわって実は自分のためになってしまっているということが起こります。
それは本当に相手を大切にしているとは言えませんよね。
また、自分を大切にできていない人は相手の幸せを素直に喜べない自分がどこかにいます。
自分が満たされていないのですから、満たされている人をみて嫉妬や劣等感を抱えるのは当然ですよね。
自分を大切にするためには
では、どうしたら<自分を大切にする>ことができるのでしょうか。
自分の気持ちを大切にする
自分の気持ちを大切にするためには、まず自分の気持ちを知る必要があります。
分からないものは大切にしようがありませんよね。
ただし、自分を大切にすることが苦手な人は自分の気持ちを知ることも苦手です。
これまで周りに合わせて自分の気持ちに蓋をしてきたため、本当にやりたいことや感じていることが見えなくなってしまっています。
例えば、これまでどっちでもいいと言っていたことに対してどっちがいいのか考えてみる、これまでな頼まれごとはなんでも引き受けていたけれど自分がやらなくてもいいことは小さなことから断ってみる、といったように少しずつ変化をつけてみると良いかもしれません。
自分を大切にすることは、自分の本音を聞いてあげることです。
当然、私たちは社会の中で生活しているため、やりたくても出来ないことや、やりたくなくてもやらなければいけないこともあります。それは相手にも相手の事情があるため仕方のないことです。
その中で、自分のためにどこまで優先してどこまでを譲ることが出来るのか、自分のために線引き出来る部分をしっかりと持つことが重要です。
自分の身体を大切にする
<自分を大切にする>ためには、自分の身体の状態にも気を配ることが必要です。
疲れたら休む、眠たくなったら寝る、三食バランス良く食べる、程よく運動する……
基本的なことですが、現代社会ではおろそかにされやすいことでもあります。
しかしこれらをおろそかにすればするほど、それは自分を大切にできていないということですよね。
また、頻繁には難しいですが自分の体調を整えるために自然の多い場所に行ったり、旅行をしたり、整体に行ったりということも自分の身体を大切にすることにつながります。
自分を大切にすることが苦手な人は、自分の体調を整えることも苦手です。
そもそも自分の身体の感覚を捉えることが難しい方も多くいらっしゃいます。
まずは、自分がどんな状態なのか、身体の感覚に目を向ける力をつけていくことが重要です。
自分も他人も大切にしていきたいと思われている方は、お気軽にご相談頂ければと思います。