4月は変化の多い時期ですね。
こどもたちにとっては新しい学校や新しい友達を前に
うきうきした気持ちと不安な気持ちの両方を持っているかもしれません。
特に、小学校から中学校へと進学するにあたっては
たくさんの変化と遭遇することになります。
それらの”中1ギャップ”とうまく付き合うためにはどうしたらいいのでしょうか。
中1ギャップってなに?どうして起こるの?
中1ギャップとは
中1ギャップとは、明確に定義のある言葉ではありませんが
多くの場合は、小学校を卒業して中学校に入学するにあたって大きな環境の変化を感じ
それに馴染むことが難しく、授業についていけなくなってしまったり
不登校やいじめが起こってしまったりすることを指した言葉となっています。
これは中学校へ進学する子ども全員に起こるものではなく
中にはギャップを感じずにスムーズに移行できるお子さんもいらっしゃいます。
また、中1ギャップを感じていたとしても、その度合いは子どもによって異なりますので
全く学校に馴染めない子もいれば、一部だけについていけない子もいます。
原因とされていること
- 環境の大きな変化
勉強面
小学校と中学校では、授業の形式が大きく変わります。
小学校では担任の先生が多くの授業を担当していましたが、中学校は教科によって先生が違います。
授業の進むスピードも小学校よりも早く、理解できていない人がいないかの確認も小学校ほど
丁寧ではありません。
科目数や宿題も多くなり、家庭での予習・復習が大切になります。
各学期ごとにいくつかの単元にまたがった定期テストが実施され、周りとの学力の差が明確になります。生活面
制服のある学校が多いことからも分かるように、学校でのルールが厳しく・多くなります。
多くの子どもは部活動に所属することになり、学校での活動時間が長く、疲れがたまりやすくなります。
登下校にも小学校よりも時間がかかることも多いようです。人間関係
特に部活動において顕著にみられるのが”縦社会”です。
小学校の時は、学年に囚われず自由に遊ぶことが多いのですが
中学校では先輩・後輩の上下関係がかなり明確に作られていることも多く
これまで使っていたコミュニケーションではうまくいかない場面も出てきます。 - 発達的な変化
中学生になり、思春期に差し掛かることによって
子どもたちは心も身体も大きく変化します。
それに伴って友達や家族との関係性の持ち方や自分に対する考え方も変化し
考え方や気持ちが不安定になりやすい時期でもあります。
中1ギャップを防ぐためになにが出来る?
中1ギャップの原因の1つとされている
環境の変化にあらかじめ慣れておくことは重要です。
勉強面では小学校のうちに家庭学習の習慣をつけておくと
良いと考えられます。
宿題は帰ってきてすぐするのか、ご飯のあとにするのか、など
自分で勉強できるためのルール作りを親子で相談しておくことで
中学校に入って勉強が忙しくなってもスムーズに対応できるかもしれません。
また、中学校がどんなところなのかを事前に話し合っておくことも大切です。
親の中学時代の話をするのもいいかもしれません。
どんなところなのか、どんな風に違うのか、一緒に確認しておくことによって
子どもにとっての心の準備をすることが出来ると思います。
そして、最も大切な点は
子どもが話しやすい雰囲気を家庭内で作っておくことです。
こればかりは一朝一夕で作れるものではありません。
何か困ったことがあった時に子どもが「相談できる」と感じられる雰囲気を
家庭内で作っておくことによって、事態が深刻になる前に子どもからの相談を受け
対処することが出来る可能性があがります。
中1ギャップにはどう対処したらいいの?
原因の1つに発達的な問題があるように
中1ギャップは子ども自身の問題であり
最終的には子どもが自分の力で乗り越えなければならない課題になります。
下手に保護者が手を出してしまうと
子どもの成長を妨げてしまうことにもなってしまうのです。
かといって、保護者が何も出来ないわけではありません。
これは、中1ギャップを防ぐための方法でも触れましたが
子どもが話しやすい雰囲気を家庭内で作っておくことが大切です。
保護者は手を出すのではなく、子どもが自分自身の力で乗り越えられるまで
とことん寄り添うことが必要となります。
寄り添うとは、課題の渦中にいる子どものことをじっくりと観察して
子どもが安心して過ごすことができる雰囲気を家の中に維持しておくことです。
そうして子どもが自分から悩みを打ち明けたり、相談してきた時には
まずゆっくりと話を聞いてあげてください。
子どもの気持ちを理解して、受け止めてあげてください。
無理に聞き出したり、子どもの考えを否定することは避けた方が良いかと思います。
そうして話を聞いたうえで、家庭内で対処することが難しい場合は
学校など適切な機関に連携を求めることも1つです。
まとめ
環境が大きく変化することは
良い変化にしろ、悪い変化にしろ、大きなストレスになります。
期待、希望、不安、心配……
子どもたちはいろいろな気持ちを抱えて新しい世界に飛び込むことでしょう。
特に、中学生になる、ということは大きな変化です。
その変化に馴染めない子どもも程度の差はあれど、たくさんいます。
中学生は悩みを1人で抱え込む傾向があるとされています。
確かに、自分が中学生のころを思い返してみてもそうだったかもしれません。
安心して相談できる場所として家庭が機能することは
子どもにとってとても重要なことだと思います。
中1ギャップを感じているみたいだけれど、家での話し合いは難しい、と感じられる場合は
まず保護者の方だけでもお気軽にご相談に来てくださいね。
不登校の子どもへの接し方について、ネットや書籍でたくさんの情報があふれています。しかし、それはあくまでも一般論に留まるところが多く、より良い方法は1人1人異なるのが実際です。カウンセリングでは、それぞれの状態にあった方法を一緒に考えていくことが出来ます。