弱いところを見せたくない、周りに頼れないと感じる人

「彼氏・彼女に弱みを見せたくない」
「甘えるってどういうことかよくわからない」
「うまく頼ることができない、誰か頼ることは良くないことだと思う」

パートナーに対して、元気な自分・頼れる自分・しっかりした自分は見せることが出来るけれど、本当の弱い部分は見せられない……という方は結構いらっしゃいます。

頼って迷惑をかけてしまうくらいなら自分が我慢したほうがいい。
弱みを見せたら嫌われてしまうんじゃないか。
しっかりした自分でなければ、必要としてもらえない。

本当はしんどくてたまらないのに、自分を隠してしんどくないふりをして、周りには気づいてもらえないまま痛みばかりが増えていく。

一人で抱え込んでしまうのは、辛いし、しんどいですよね。

それでも周りに弱みを見せられないのは、もしかすると小さいころからの経験の中に理由があるかもしれません。

パートナーに弱みを見せられない原因

弱みを見せたことで傷ついた経験がある

<パートナーに弱みを見せられない>という人の中には、過去に誰かに弱みを見せることで傷ついた経験を持つ人がいます。

例えば、何か自分が困っていることや悩んでいることについて相談した際に

「そんなことくらいで悩んでるの?」
「みんなもっと大変なんだから」

といったように否定されてしまったことで

<このくらいのことで人に相談してはいけないんだな>
<弱さを見せたってどうせ誰も助けてくれない>

と感じ、弱みを見せることに不安や恐怖を感じてしまうのです。

そして、そんな自分を守るために「相談したって意味はない、どうせ何も解決しない」と思い込んでいることもあります。

甘えることができない親子関係だった/アダルトチルドレンの傾向がある

赤ちゃんの頃は誰しも、周りに助けてもらわないと生きていけません。
しかし、成長していくにつれてだんだんと親に甘えられない関係性になっていくという親子関係も存在しています。

弟や妹が出来たり、親が自分のことで精いっぱいで心配をかけられなかったり、”いい子”であることを期待されていたり、相談すると怒られたり、出来ていない部分があると機嫌が悪くなったり……

本来、親との関係性の中で人の頼り方や甘え方・自分の強みも弱みも受け止められる感覚を培っていくのですが、その経験が無かったためにそもそもどう相談していいのかが分からなかったり、相談することは悪いことだ、という思いを持っていたりということが起こってしまいます。

自己肯定感が低い

自己肯定感が低いことも、パートナーに弱みを見せられない理由の1つです。

自己肯定感が低いと、ありのままの自分では認められない、という思いを抱えています。
<弱さのある自分では必要とされない、嫌われてしまう>と感じているため、自分の弱い部分を隠して、周りに必要とされるだろう自分を作ってしまうのです。

「こうあるべき」という自分の中の理想があり、そうでなければ愛されない感覚があります。

・頼りになる人でなければならない
・いつも笑顔で元気でいなければならない
・求められたことには応えなければならない

そんなたくさんの「べき」で自分を縛って、抜け出せなくなってしまっています。

弱みを見せられないことによって起こる問題

パートナーとの喧嘩が増える

弱みを見せられないことは、自分の気持ちが正しく伝えられていないことに繋がります。

例えば、パートナーとの関係の中で何か許せないことが起こったとします。
「どうしてそんな風にするの!?」と怒るかもしれません。
「今度からは~~してほしい!」と相手をコントロールしようとするかもしれません。

これは、気持ちを伝えているようで実際は全く伝わっていません。

どうして?なぜ?といった言葉は相手にとって責められているように感じるフレーズなので、言われた相手が素直に受け取ることが出来ません。コントロールされて心地の良い人はいませんよね。

ここで本当に大切なことは、その裏側。
どうして怒っているのか。許せない事柄によってあなたがどんな風に感じたのかです。

寂しかったのか、悲しかったのか、不安だったのか、怖いと思ったのか。
惨めだったのか、切なかったのか、辛かったのか、苦しかったのか。

本当はそれを伝えることが重要なのですが、弱みを見せることが苦手な方はこの部分をすっ飛ばして、怒る・文句を言う、といった行動に出してしまいます。

自分のネガティブな気持ちを伝えることは弱みを見せるのと同じことなので、どうしても出来ないんですよね。

その結果、最初は小さな喧嘩だったのがだんだん大きくなっていって、パートナーとうまくいかなくなってしまうことがあります。

人と関係を深めることができない

誰かと仲良くなろうと思った時、人は<相手のことを知りたい>と思い、<自分のことを分かってほしい>と思います。
その結果、コミュニケーションを取る中で質問をしたり、自己開示をしたりするわけですよね。

しかし、弱みを見せるのが苦手な人は<自分のことを分かってほしい>けれど、<自分のことを伝えると嫌われてしまうかもしれない>と不安や恐怖を感じます。

その結果、相手の相談は聞くけれど、自分のことは話さない。
相談に乗ってくれる人にはなれますが、なんでも話せる仲のいい人にはなれないんですよね。
どこか距離がある関係性ばかりが出来上がっていくことになってしまいます。

また、自分の弱みを知られることを避けようとするため、相手が踏み込んでくると距離を取ろうと離れてしまうこともあります。

こころが休まらず、しんどい気持ちが続く

弱みを見せたくない人にとって、他者と関わることは緊張の連続です。
弱いところのない自分を維持するために、たくさんのエネルギーを使って人と関わっています。

その上、本来であれば周りに相談して解決していくようなことも、自分で抱え込んでしまいます。

人といると気を遣う。1人で居ても悩み事ばかりでしんどい。

どこでも気が休まることがなく、しんどさに耐え続けることになってしまいます。
ずっとそうして過ごしてきたので、抱えているしんどさにこころが麻痺してしまっており、とっくに限界にきているのに、気付かないままさらに抱え込んでしまって、頭痛や吐き気、腹痛など身体に症状が出て初めて問題に気づく、なんてこともあります。

全てを1人で抱え込んでしまわないために

まずは自分が弱みを持つ自分を認める

パートナーに弱みを見せられないと感じている人は、そもそも自分が自分の弱みと向き合えてない状態であることが多いです。

自分の持っている弱みが嫌いで、許せなくて、認められないからこそ、誰かにそれを知られることが怖くて仕方がないんですよね。

でも、立ち止まって少し考えてみてください。
弱みの全くない人なんているのでしょうか?
もしいたとしたら、それこそが弱みになるかもしれません。

まずは、自分自身が自分の弱みについて考えてみることが大切です。
ゆっくり見つめ直してみたら、他の人が同じことを言っていたらと考えたら、受け入れられる弱みもあるかもしれません。

それでも受け入れられない弱みもあるでしょう。
その時は、どうして受け入れられないのか考えてみる必要があります。

自分の弱みと向き合うのは、自分を守るために今までカギをかけていた箱を開けることです。
1人で行うのは少し難しいかもしれませんので、カウンセラーと一緒に考えてみるのが良いかと思います。

弱みを見せられる関係性を増やしていく

自分で自分の弱みを認めることが出来てきたら、それを少しずつ自分の外へと広げていきましょう。

まずは、一緒に考えていたカウンセラーに弱みを見せていくことから始めます。
弱みを見せて受け止められる、否定されないという経験をすることで、「弱みを出しても大丈夫」という安心感が生まれます。

次は、自分の弱みを”受け止めてくれそうな人”が良いかもしれません。
”受け止めてほしい人”でないところがポイントです。

そうして少しずつ、自分の外側へと弱みを見せられる領域を増やしていく中で、周りの頼り方や人への甘え方も身に着けていきます。

人に弱みを見せられずしんどさを抱えている方や、パートナーとの関係がうまくいかずに困っている方は、是非カウンセリングを受けられてみることをおすすめします。

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