誰かと話すときや、前に立って注目を浴びるときなどに顔が赤くなることは誰にでも起こります。
そんな中で、その赤面した顔を周囲にみられてどう思われるのかがとても気になり、さらに顔が真っ赤になってしまう。
そんなことを繰り返しているうちに、だんだん人とかかわることを避けるようになってしまう状態を赤面症といいます。

赤面することに対して苦痛を感じ、日常生活に不便を感じるほどになっている。

そんな赤面症の悩みにはどう対処していくのが良いのでしょうか。

赤面症ってどんなもの?

赤面症とは赤面恐怖症とも呼ばれており、<赤面する事での周囲からの評価に対して強い恐れがあり、それが生活を不便にさせている状態>のことを指します。

社交不安障害や対人恐怖症の一種であり、あがり症などと呼ばれるものと似た概念です。
そのため、視線恐怖症や表情恐怖症との関連も認められています。

赤面症で悩まれている方の中には、このような視線恐怖や雑談恐怖などを併発されている方もいらっしゃいます。

例えば人前で何か失敗してしまった時、私たちはだれしも恥ずかしくて赤面した経験があるでしょう。
みんなの前で発表しなければならないとき、だんだん顔が熱くなってきてドキドキしてくることもあったと思います。

このように赤面自体はだれしもが経験することなのですが、赤面症の人はこの<赤面する>ということに耐えがたいほどのしんどさを感じます。
その結果、まだ実際赤面するような状況になっていなかったとしても、赤面するかもしれないという不安感から、そもそも赤面しやすい状態を作り出してしまっているのです。
その状態で、赤面する可能性のある状況の中に飛び込んでいくため、当然赤面が起こります。
そうすると、やはり赤面した→人前に出たらダメだ、という発想になりどんどんと不安ばかりが高まっていくという悪循環に陥ってしまうことになるでしょう。

赤面症が引き起こされる原因

赤面自体は人間の生理的な現象

赤面自体は何度かお伝えしているように、誰にでも起こりうる症状です。

私たちは緊張したり不安や恐怖を感じると、ドキドキと鼓動が早くなり、呼吸も早くなって汗をかきます。
これは脳から自律神経に対して、交感神経という興奮をつかさどる神経を優位にするように指令が出ているからです。
これによって血流がよくなり、頬には毛細血管が通っていますのでそこを大量の血液が通ることによって、顔が赤くなります。

これが赤面が引き起こされる原因です。
赤くなりやすい・なりにくいという身体的な特徴はあるかと思いますがこの反応自体は生理的なものなので、どちらにせよ放っておけばそのうち収まります。

一方で、赤面症の人はこれを止めようとしたり隠そうとしたりと過剰に意識してしまうため、さらに緊張・不安が高まり収まらなくなってしまうのです。

つまり、「赤面してはいけない」という気持ちがさらに赤面を引き起こしていることになります。

赤面症のきっかけやその背景

赤面自体は誰にでも起こりうるものではあるものの、誰もが赤面症になるわけではありません。
きっかけとしては、赤面しているときに周りから何か言われたことが引き金になることが多いようです。

それは、からかわれるなどのネガティブな指摘だけではなく、「顔赤いね」「かわいいね」と言われたりすることも含まれます。
赤面していることに焦点が当たることによって発症のキッカケになるのです。

また、些細なことに反応して顔が赤くなりやすい人は、自分の感情を抑え込んでいる傾向が見られます。

まったく感情が出ないわけではないものの、大きな感情の動きを表現することが苦手です。
自分が思ったことや感じたことを周りに伝えることをしてこなかった傾向があります。

しかし、何も感じていないわけではないため、日々感じていることは消化されずに自分の中にたまっていくこととなります。
そうやって溜まった感情が、ひょんなことで顔に出てしまい赤面に繋がっていると考えられるのです。
そのため、自分を表現できる相手に対しては赤面が起こらないこともあったりします。

赤面症の克服に向けて

赤面するのはおかしなことじゃない

何度かお伝えしている通り、赤面自体は人間の生理的な反応です。
顔が赤くなったことが1度もないという人はいないと思います。

赤面症には<顔が赤くなることが恥ずかしい>という感覚が影響していますが、赤面自体は怒っているときや泣いているとき、熱があるとき、重い荷物を運ぶために力を入れているときなど様々な場面で起こります。

もし顔が赤いことを馬鹿にしてくる人がいるのであれば、それは馬鹿にしてくる側の問題であって、あなたの問題ではありません。
その点に関してはしっかりと境界を引いていくことが必要となります。

「顔が赤くなることは誰にでもあること。自分は少しそれが出やすいだけ」と考えることが出来るようになれば、赤面はだんだん収まっていくでしょう。

誰にも相談できずに一人で悩んでいるうちは先が見えないような感覚に陥るかもしれません。
しかし、カウンセリングを通じていろいろな見方やとらえ方について一緒に考えることによって、少しずつあなた自身の感覚も変化していきます。

人の目を気にしない

赤面症は対人恐怖症の一種であるため、他人からの評価を気にしすぎてしまう他人基準も背景要因の1つとなります。

誰もいないところで顔が赤くなったとしても、別に恥ずかしくはないですよね。
つまり、顔が赤くなるから恥ずかしい、というのは人の目があるからこそ起こることです。

人からどう見られているかを意識する度合いが高ければ高いほど、より恥ずかしさを感じやすくなります。
そのため、過度に人の目を気にする必要がない状態にしていくことが、赤面症の克服へと繋がっていきます。

例えば<赤面をしなくなる>を目標にされる方は多いのですが、そもそもそれ自体が人の目を気にしていることとイコールですよね。
そのため、まずは<赤面しながらでも不安なく周りと関われるようになる>を目標とすることが大切です。

赤面するかどうかは別として、自分が今どう振る舞いたいのか。何を感じているのか。
それを大事にしながら人と関わっていく経験を積むことによって、だんだん人からの評価を気にする度合いが下がっていきます。

カウンセリングでは、こうした意識の変化について考えたり、自分の感情や感覚をとらえる練習をしたりすることで、赤面症の克服に向けてサポートさせていただきます。

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