誰からも嫌われたくないと周りにあわせて振舞ってしまう

誰からも嫌われないようにしたい
周りにいる人たちとは仲良くしておかないといけない
人を嫌うなんて良くないことだ

そんな風に考える方が一定数いらっしゃいます。
確かに、わざと嫌われる必要はないと思いますし、険悪であるよりは良好な関係である方がいいでしょう。
しかしながら、過ぎたるは猶及ばざるが如し。
必要以上に周りから嫌われないようにしようとすることは、逆に嫌われることを引き寄せてしまっているかもしれません。

誰からも嫌われない、とはどういうことだろうか

誰からも嫌われないことは可能なのか?

そもそも、誰からも嫌われないというのは現実的に可能なのでしょうか。
私は不可能であると思います。
なぜなら、大多数から嫌われないような人を嫌いな人が世の中には居るからです。

つまりは、目指している目標が達成不可能なものであるということが前提として挙げられます。

人間関係においては、2:7:1の法則があるとアメリカの心理学者であるカール・ロジャースという人が述べています。
これは周りに10人居たとして、2人はあなたに好意的であり、1人はあなたが嫌い、あとの7人は無関心であるという目安を表したものです。
どれだけ自分が努力をしても自分を受け入れてくれない相手というのは一定数いるということなんですよね。
その1人の人のために、自分の色々なコストを払ってストレスを溜め込んで、毎日を過ごすというのはとてももったいない話ではないでしょうか。
それならば、好いてくれている2人のために時間を使う方が相手にとっても自分にとってもプラスであるように思います。

誰からも嫌われないことにはどんな意味があるのか

続いて、誰からも嫌われないということにあなたにとってどんな意味があるのか考えてみましょう。

誰からも嫌われないことを目指すメリットとしては、波風が立たない、ネガティブな感情を直接的に向けられない、などでしょうか?

誰からも嫌われない、ということは決して、誰からも好かれる、ということではありません。
ただ嫌われていないだけ、ということが大半です。
そこには、都合がいい人と思われている、そもそも興味がない、何を考えているか分からない、などが内包されているのではないかと思います。

例えば、周りから嫌われないように振舞う人に多い傾向として、頼まれたことを断れないということが挙げられます。断ったら嫌われるのではないかと思い、自分のキャパシティ以上のものを抱え込んでしまうこともよくあります。
これを続けていると、周りからは「嫌われない」かもしれませんが、「便利な人」として扱われてしまう恐れがあります。つまり、嫌われてはいないですが、軽く扱われてしまっているのです。

また、周りから嫌われないように振舞う人は周りが望んでいる形に合わせて行動したり発言したりすることが多いため、自分の考えや思いを伝えることがほとんどありません。
その結果、相手からはどんな人なのか分からない、何を考えているのか分からない、と取られやすい面も出てきてしまいます。いつも周りに合わせてばっかり、と思われると逆に嫌われてしまうことに繋がる恐れもあります。

誰からも嫌われないように振舞うことは、このように必ずしもメリットばかりではありません。
それでも、<誰からも嫌われないように振舞いたい>とするのであれば、その根本にはなにがあるのでしょうか。
それを考えることが、<誰からも嫌われないように振舞う>ことから抜け出すための大きなポイントになるはずです。

誰からも嫌われたくない、を抜け出すために

嫌われたくない、と思うこと自体は私は悪いことではないと思います。
誰しも嫌われるよりは嫌われない方が心が穏やかに過ごせますしね。

ただし、嫌われるかもしれないから自分を抑えて、やりたいこと・言いたいことを自分の中に閉じ込めて、自分が我慢をして過ごしてしんどくなってしまうのは違うのではないかと思います。
それは相手のことを慮っているようにみえて、ある意味でとても自分中心の考え方ではないでしょうか。

自分がどう振舞おうと、相手が自分のことを「嫌う」か「嫌わない」かは相手の自由です。
それをこちらでコントロールすることは出来ません。

他人から嫌われることを恐れてとにかく好かれようとして疲弊してしまう傾向は、「過剰適応」と呼ばれます。
このような過剰適応の傾向を持っている方は、自分の意見や思いを伝えたら嫌われてしまうのではないかという不安を抱えています。
そうして相手にあわせてうまくやっていくことだけに意識が向いているため、結局関係性は積みあがらずにうまくいかないという結果に繋がってしまいます。

ここで大切なのは「嫌われてもいい」ではありません。
嫌われてもいい、と思うのは難しいと思います。
どちらからというと「嫌われたら仕方ない」という意識が大切です。

どんな人でも10人中2人は好意的に思ってくれる人が居るはず。
であれば、自分の意見や気持ちを小さい部分から伝えていくこと、伝えてみて嫌われてしまったらそれは合わなかったというだけのことであると切り替えること、その1つ1つが重要となってくると思います。

そのための気持ちの持ち方やお手伝いが必要であれば、一度カウンセリングもご検討いただければ幸いです。

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