WAIS−IV(ウェクスラー式成人知能検査)の特徴

WAIS−IVとは、知能検査と呼ばれる心理検査の1つであり、日本語ではウェクスラー式成人知能検査と言います。
この検査は、デビット・ウェクスラー(1896〜1981)という心理学者が開発したものです。

ウェクスラー式知能検査は、年齢に応じて以下の3種類に分けられています。
WPPSI(ウィプシ):幼児用(対象年齢2~7歳) WISC(ウィスク):児童用(対象年齢5歳~16歳11ヶ月) WAIS(ウェイス):成人用(対象年齢16歳~90歳11ヶ月) 当カウンセリングルームでは、成人向けのWAISのみ受験することが可能です。 知能指数は、英語に訳すと Intelligence Quotientとなり、一般的にはこれを略してIQと呼んでいます。 近年テレビ番組やネット上でもよく見かける概念であり、IQという言葉自体には聞き覚えのある方も多いかもしれません。
IQテストとうたっているテストはネット上にもいろいろとありますが、役所での鑑別など正式な場面でIQとして認められているものはこのウェクスラー式のものと、田中ビネー知能検査とよばれるもの、K-ABCとよばれるものが中心となっているかと思います。

WAIS−IVを受けると、知能が<総合的な数値><4つの領域別の数値><領域内のさらに細かな数値>として測定され、その結果が所見としてまとめられて受検者に伝えられます。
4つの領域とは<言語理解><知覚統合><ワーキングメモリー><処理速度>となっています。
当カウンセリングルームでWAIS-IVを受けた方には、<総合的な数値><4つの領域別の数値>そしてカウンセラーの所見をお伝えしています。
<領域内のさらに細かな数値>は、テストの性質上受検者に数値自体は伝えず、所見の中で文章にして伝えることになっています。
では、4つの項目について簡単に説明致します。

言語理解(VCI)

語彙力や説明する力を表す指標で、この指標の数値が高い人は、コミュニケーションに長けています。
言語理解の中には、育った環境や経験の影響のよって身に付く結晶性知能も含まれています。

知覚推理(PRI)

目から取得した情報をもとに論理的に考察する力を測る指標で、 新しい情報への適応力である流動性知能が高い人は、知覚推理の数値も高い傾向があります。
論理的思考が素早くできるかどうかもこの指標が関係しています。

ワーキングメモリー(WMI)

聴覚によって得た情報を短時間記憶しておくための力です。 また、その情報を頭の中で操作することができる能力でもあります。
その指標の数値が高い人は、短時間の集中力が高い傾向があります。

処理速度(PSI)

単純作業を素早く正確に行う力を表す指標です。
単純作業が得意な人はこの指標が高い傾向があります。

WAIS-IVを受けてみたいという方へ

WAISの説明を読んで、自分も受けてみたいと思われた場合はご連絡下さい。
WAISの実施は、当カウンセリングルーム内で行っています。
希望者にはまず予約を取って頂き、決められた時間に当カウンセリングルームにお越し頂いて検査を受けて頂きます。
下記は、WAISの受検に必要な情報をまとめているので、受検を希望される方はご確認下さい。

WAIS-Ⅳ活用のタイミング

当カウンセリングルームでは、以下のような場合にWAISを実施しています。

WAIS-Ⅳを受けてみたいという依頼があった

ホームページを見て知能検査を受けてみたいという依頼があった時や、カウンセリングを受けている方から一度検査を受けてみたいと依頼があった場合に実施しています。
クライエント様がWAISを受けたいと思われる理由は、自分のことをよく理解するための手掛かりにしたい、子供の頃から発達障害かもしれないと感じていた、など様々です。

カウンセラーからWAIS−IVの受検を提案をする

カウンセリングの経過の中で、カウンセラーからクライエント様にWAISの受検を提案することがあります。
提案する目的は、自己理解を高めて生活の中での社会適応を促進するためです。
具体的な目的は相談内容によって異なるのですが、健康のための自己管理、感情や行動の制御、仕事のためなどがよくある例となるかと思われます。
あくまでもカウンセラーからは提案をするだけであり実際に受けるかどうかはクライエント様の判断にお任せしているため、受検を強制することはありません。

WAIS−IVを受けると何がわかるのか

WAISを受けることによって自分の知能指数が客観的な数値として表されますが、これは単に点数が高いから“良い”、低いから“悪い”、というものではありません。
なぜなら、同じIQスコアでも4つの領域別の数値が総じて同じ程度である人とそれぞれに大きな差がある人とでは、仕事や学習において大きな違いが出てくるからです。
知能指数が明らかになることで、自分の得意な作業や優位な能力、苦手な作業や劣位な能力はある程度分かるものの、実際の生活の中では得意なことを上手くいかせていない場合もあれば、他の能力や経験によって低い能力を補っている場合もあります。

WAISを受けてみたいという方にあらかじめ理解しておいて頂きたいことは、知能検査が人を断定的に評価できるというものではなく、またそれを目的としたものでもないということです。
つまり、この検査の結果のみで発達障害の有無などを診断できるものでもありません。 検査の結果からわかることはたくさんありますが、一方で検査を受けて知ったことだけが自分の全てではありません。

検査結果の中には、自分の状況に当てはまることもあるでしょうし、そうではないものもあるかもしれません。 例えば、検査場面はいつも生活している環境とは異なるため緊張してしまい、普段通りの力が出せなかったということもあるでしょう。
もちろん、検査者はそういった状況も踏まえて検査や分析を行いますが、完全にカバー出来るとは限りません。
検査全体の結果からご本人の状態を把握し、日々の生活がよりよくなるための手がかりとして活用することが検査の目的となります。
得点として表れた結果に一喜一憂しすぎず、今後の生活に役立てられるとよいでしょう。

カウンセリングとWAIS-IVの関係

カウンセリングでは、自分の感情や行動の傾向と知能指数を重ね合わせて考えてもらったり、自分が良く困ることや行き詰ること、悩むことと知能指数の関連性について考えてもらうことによって、相談内容となっている課題の解決を促していくためにWAISの結果を役立てています。
自分のことを数値化してみることは、自己理解を深めるためにも、自己制御力を高めるためにも有効です。
カウンセリングの目的は、クライエント様の悩みの解決とより良い生活の実現ですので、心理検査もそれを目的として実施しています。

WAIS−IVの申し込み方法と料金

WAISを受けてみたいという方は、心理検査一覧のページを確認して下さい。
そのページに検査に必要な時間、料金など、WAISを受検するにあたって知っておいて頂きたいことが書いてあります。

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