なぜ、依存症になってしまうのか?

依存症は、決して一部の人だけの問題ではありません。
自分自身が依存症になる恐れもあるし、自分の子供が依存症になってしまう可能性もあります。
このページを見てくださっているのは、自分自身が何らかの依存症という方か、家族が依存症だという方が多いと思います。

依存症の克服は、依存症とは何かをよく理解してその事実を受け入れるところから始まります。
下記には、人間が依存症になってしまう要因についてまとめているので、依存症を克服するために活かしてほしいと思います。
また子育て中の方は、子供が依存症にならないために子育てに活かして頂ければ嬉しく思います。

人間が依存症になるのは、ストレスと防衛反応子育ての影響周囲からの誘惑の3つの要因が関係しています。
それぞれについて詳しく説明したいと思います。

ストレスと防衛反応

人間はストレスを受けると脳が疲労して、脳の働きが低下します。
人間の脳は、生きるために重要な活動を行っているので、ストレスが蓄積していくことは望ましくないため、適度にストレスを緩和する必要があるのですが、自分がストレスを抱えていることに気づかない、認めない場合はストレスレベルが高まってしまいます。

ストレスレベルが上がると、脳内では快楽ホルモンといわれるドーパミンの分泌が抑えられるのですが、逆を言えばドーパミンが良く出ている時はストレスレベルが高くない時であるため、脳はストレスが蓄積するとドーパミンが出る行動を起こしたくなるのです。
その行動が、ギャンブル、アルコール、性行為、ゲームなどに当たります。

さらにストレスで脳の働きが低下している時は、感情や衝動を抑える前頭前野の働きが低下しているので、犯罪につながるような行為を起こしてしまうこともあるのです。

条件付けと学習

ストレスレベルが高まっている時に、脳内でドーパミンが増加する行動を取ると脳はその時の行動はストレス緩和に有効だという学習をします。
その行動がギャンブルだった場合は、ギャンブルがストレス緩和になる行動だと認識して、ストレスレベルが高くなると自分の脳を守るためにギャンブルをするという条件付けが行われてしまいます。
人によって依存する対象が違うのは、ストレスの緩和のためにどのような行動を選択したかという違いがあるからです。

依存性の強化

ストレスが高まるたびに自分が学習したドーパミンを発生させる行為を行っていると、これまでと同じ刺激では物足りなくなり、さらに刺激を求めて同じ行為を行うようになります。
また、ドーパミンは求めている刺激を受けた時ではなく、受けることを想像するだけで増加するようになるため、刺激もをもめて頻繁に行動を繰り返すようになります。
こうやってより強い刺激を求める反面、刺激に対して脳が反応しやすくなっている状態が依存度合いの高まりというのです。

子育ての影響

欲求を我慢する力は、子供のころから適度な我慢を繰り返し行うことで高まります。

人間の成長過程で最初に我慢を練習するのはトイレトレーニングです。
これまでおしめの中で行っていた排泄を、トイレに行くまで待つという我慢をしてから行うという繰り返しが欲求を抑制する力を養うことになります。
トイレで排泄をすることは、成長過程で覚えるのですが、トイレトレーニングを行うのは我慢する練習をするという意味があるのです。

また人間の成長過程には、お菓子、ゲーム、テレビなど欲求を刺激するものに触れるようになります。
そのため、親はしつけによって、欲求を刺激するものが身近にある中で欲求のまま行動しないように指導していきます。

上記のような機会の中で欲求を抑えるトレーニングを疎かにしてしまうと、欲求が刺激された時に我慢が出来ずに行動化しやすくなってしまいます。
子育ては、欲求と欲求を刺激するものがある生活の中で自分をコントロールする術を身につけさせる機会なのですが、親がしつけを疎かにすることで依存症になりやすくなってしまう恐れがあるのです。

周囲からの誘惑

世の中には依存症になってしまう可能性のある誘惑がたくさんあります。

アルコールやたばこも20歳を超えれば自由に手に入ります。
場合によっては違法な薬物を勧められる機会もあるかもしれません。

ギャンブルやスマホのゲームなどは、射幸心という何かを得ることができるか、できないかという状況の中で興奮する心の仕組みを利用した作りになっています。
大学生や若いサラリーマンが友達や同僚に誘われてギャンブルをしたことがきっかけ、中高生なら友達やネット広告の影響でスマホゲームをやるようになったことがきっかけで依存してしまうことが多いです。

犯罪行為となる依存症は、その行為は違法だとわかっていてもバレずにできるのではないかと勘違いしてしまう環境や道具によってはじめてしまう人がいます。
性犯罪の場合は、電車の中で偶然女性の体に手が触れた、女性の下着が見た時に異常に興奮したことがあった、何かのきかっけで特殊なカメラの存在を知ったということで始める人がいます。
万引きの場合は、つい出来心で万引きをして成功したことが何度も万引きをして止められなくなったというケースが多いように思います。

上記のように私達が生活する環境の中に依存症になるきっかけとなる刺激がたくさんあって、その誘惑に負けてしまうと依存症に近づいてしまいます。

依存症にならないために必要なこと

依存症になるきっかけとなる刺激は生活の中にあふれています。
常に身近にあるものもあれば、他人によって近づいてくる刺激もあります。

このサイトを見て頂いている方は、依存症にらないためにストレスコントロールを意識して頂きたいと思います。
子育て中の方は、しつけによって欲求を抑制することの大切さと適切な方法と頻度なら欲求を満たすことの大切さを子供に伝えてあげて欲しいと思います。

最後に、自分は依存症かもしれない、何かに依存しかかっているかもしれないと感じている方は、依存症を克服するには意思の力も必要で時間もかかりますが、適切なステップを踏んで取り組めば依存行為を止め続けることは可能です。
カウンセリングに来られている方の中には、依存行為を止め続けて生活を立て直した方もたくさんおられます。

カウンセラーに相談するメリットは、依存症になるメカニズムも依存症を克服するメカニズムも押してもらうことができ、依存症が改善する経過を丁寧に確認しながらサポートしてくれるということです。
ご自身やご家族が依存症だという方は、できるだけ早くカウンセリングを受けることをお勧めします。


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