買い物が止められない、不必要なものでも買ってしまうという方は買い物依存症かもしれません。
特に嫌なことがあったりしてストレスを感じている時に買い物をしていて、買い物をすると一時的に気持ちがスッキリするため、買い物をすること自体が目的になっているという状態の人は買い物依存症だと考えて下さい。
また、何かが欲しいと思った時に我慢ができずに買ってしまうことが短期間の間に何度もある人も買い物依存症と思っていいでしょう。
このページでは、買い物依存症について詳しく説明をしているので最後まで読んでいただければと思います。
買い物でストレスを発散してしまうという方へ
買い物に依存する人がいるのは、買い物をすることでストレスが発散される効果があるからです。
買い物依存症というのは、買い物をすることで得られる心理的な効果をストレスを発散することに利用する頻度が異常に高くなり、自分の意思ではその頻度をコントロールすることが難しくなっている状態です。
では、ストレスを発散する効果とはどのようなものか説明いたします。
快楽を生む報酬系の刺激
人間の脳内には、報酬系といわれる神経回路があります。
別名で、A10神経と呼ばれています。
買い物の場合は、商品を見て回っている時、そして商品を購入した時にこの神経が刺激されて快楽を感じる仕組みになっています。
この報酬系は、買い物以外のことでも刺激され、快楽を生むドーパミンという神経伝達物質を放出しますが、ストレスを感じた時に買い物をするという行為が続けていると、ストレスを受けた時に買い物をすれば、ストレスが緩和されることを脳が学習して買い物依存になってしまいます。
女性は買い物依存症になりやすい
買い物をする時に、男性は買いたい物が置いてあるお店に直行して、購入するとすぐ帰路につくというパターンが多いですが、女性の場合は何を買うか決まっていても、購入したいものが置いてあるお店に行くまでに気になったお店に立ち寄ったり、目的のものを購入した後も他のお店を見て回るというパターンが多いのですが、この行動の違いも女性が買い物依存症になりやすい理由の一つです。
上記で説明した報酬系の刺激は、買い物をした時だけでなく、お店で商品を見て回っている時にも刺激されます。
購入するという行為だけでなく、購入することや購入することによって生まれる効果や状態を想像するだけで、脳内でドーパミンが放出されるのです。
女性は、もともと買い物で報酬系が刺激されやすい行動パターンを持っているので、買い物依存症になる可能性も高いと言えます。
必要のないものを買った罪悪感が買い物依存症を加速させる
買い物依存症の人は、買っても使うことのないものをたくさん買っている傾向があります。
買った後に商品をパッケージも開けることなく放置していることも良くあります。
自分では、いつも必要のないものを買ってしまう自覚があるだけに、買い物をした後は強い罪悪感が込み上げてくることもあるそうです。
しかし、罪悪感を感じてもまた必要のないものを買ってしまうのです。
罪悪感を買い物で誤魔化している
買い物依存症の人の中には、買い物をした罪悪感を買い物をして一時的に忘れようとしている人もいます。
必要ないものを買うことで生じた罪悪感ですが、買い物をする時に生じる興奮によって罪悪感が和らぐため、買い物が辞められなくなってしまいます。
必要のないものを買う → 罪悪感が生じる → また買い物をしてしまう。
このような悪循環に陥っている状態から買い物を止めるためには、悪循環を立ち切らなければなりません。
罪悪感から買い物をしてしまう悪循環を断ち切る
必要のないものを買ってしまって生じる罪悪感が、次の買い物につながるという悪循環を断ち切るためには、心の不安定さを自分で整理する力をつける必要があります。
依存症の人がカウンセリングを受けることにより、依存症を克服していくのは、カウンセリングを受け続けたことによって不安定な心理状態を安定させることができる思考力が高まるからです。
心の状態が不安定になっても、思考によって心を安定させることができるようになれば、罪悪感が買い物をしたい衝動を生むという悪循環が起こりません。
悪循環を断ち切るほどの思考力は1人で身につけることは難しいですが、カウンセリングではカウンセラーと思考力が身につくことを目指した対話を繰り返していきます。
買い物依存症かもしれないと感じている方へ
クレジットカードで買い物ができる、ネットでお店に行かなくても買い物ができるという便利な社会は、買い物依存症に陥りやすい状況でもあります。
もしかしたら自分は買い物依存症なのではないかと感じている方は、下記のチェックテストを行ってみて下さい。
買い物依存症チェックテスト
- 嫌なことがあったり、不満が募ると買い物で解消することが多い
- 自分が興味のあるものを他人が持っていると買わずにいられない
- 料金比較をした結果、お得なものを見つけると買ってしまう
- 買い物は基本的にクレジットカードを使っている
- 毎日買い物をしていて、買ったものは封も空けずにおいてある
- 買い物をした後に、不要なものを買ったと後悔することも多い
- 自分の収入に見合わない額の買い物をしている
上記の項目が、多くあてはまるほど深刻な買い物依存症だと言えます。
買い物依存症は自分の意思だけで止めることが難しいので、カウンセラーに相談をして下さい。
買い物依存症の予防
買い物でストレスを発散する人のすべてが依存症と良いわけではありません。
また時々は、買い物でストレスを発散させることがあってもいいでしょう。
しかし、依存症になってしまうと、お金が足りなくても買い物を続けてしまうので、生活が破綻してしまいます。
そうならないように、ストレスを発散させる方法、脳の報酬系を刺激する方法を買い物以外にも持っておくことをお勧めします。
またストレスを発散させるだけでなく、ストレスの発生自体を押さることができるように、ストレスの原因に対してアプローチできるようになることが理想です。
簡単なことではありませんが、依存症にならないためにはストレスの原因を潰すことが有効だと覚えておいて頂きたいと思います。
カウンセリングでは、買い物依存症を予防していくための生活習慣についてもアドバイスをして、買い物を止め続けることができる生活の実現を目指していきます。
買い物を止めるためにはカウンセリングへ
買い物依存症が、ストレスと関係があるということ、買い物に依存する心理的要因があるということを踏まえると買い物を止めるためにはカウンセリングを受けることが望ましいと言えます。
ただ、一定期間は買い物をしていないということは解決ではありません。
我慢だけで買い物を止めても、また依存レベルの買い物が始まってしまいます。
生活をしている中でストレスを完全に避けることはできませんし、自分の性格も完全に変わることはないため、ストレスや自分の性格傾向をコントロールしながら生きていく術を身につけて買い物に依存する必要性を無くさなければなりません。
カウンセリングでは、自分が買い物に依存してしまうことについての理解を深めて頂きます。
自分が依存症であることを直視することは楽ではありませんが、自分の現状を否認することなく把握して、自分をコントロールするための手掛かりにして頂くことをカウンセリングでは目指していきます。
買い物依存症を克服するためにカウンセリングをご利用下さい。
ご家族のカウンセリングへ
買い物依存症の相談は、当事者だけでなくご家族も一緒にカウンセリングを受けて頂くことも効果的です。
家族がご本人とどう関わっていくことが望ましいのかということを、話を聴かせて頂いた上で提案させて頂きます。
依存症は、意思だけではなく、依存することが難しい仕組みを生活の中に作ることも大切なのですが、それを依存症の当事者だけで作ることは難しいので、ご家族のサポートを受けながら依存することがむずかしい環境づくりをして頂ければと思います。