日本の子どもの睡眠時間

日本人は外国に比べて全年齢において睡眠時間が少ないと言われています。

これは決して<諸外国よりも短時間の睡眠で活動が出来る!>ということではなく、<仕事や学校の忙しさによって必要な睡眠時間が圧迫されている>ということです。

文部科学省が行った2014年の調査では、小学5年生以上の14.6%、中学生の57.2%、高校生の83.6%が夜11時以降に就寝しているようです。一方で東京大学の2016年の研究では、個人差はあるものの中高生に必要とされる睡眠時間は8.5時間とされています。

これだけの睡眠時間を確保するためには、遅くとも7時に起きるとしても10時半には寝ていなければいけない計算になるので、中学生の約半数、高校生の多くが精神的な健康を維持するための睡眠時間に足りていないことが分かります。

睡眠時間が足りていないと、子どもは週末にそれを解消しようと朝起きずに遅くまで寝ている、といったことが起きます。そのため、平日と比べて週末に3時間以上起床時間が遅くなる子どもは、睡眠不足があると考えてよいということです。

最初は少しの睡眠不足であっても、それが積み重なると疲労感や倦怠感があらわれ、微熱、腹痛、頭痛、不眠などの症状が出てきます。

寝不足で朝がしんどく、朝ごはんも食べずに学校に行く。
朝ごはんを食べていないし、眠たいので授業に集中できず、理解できない。
授業も分からないし、なんだかしんどいので学校に行きたくない・行けない……と不登校につながっていることも十分にあるのです。

私たちの身体の中にある体内時計

私たちの身体は、ほぼ1日の周期で体内環境を積極的に変化させる機能を持っており、これを概日リズムと呼びます。一般的には体内時計と呼ばれているものです。

この体内時計は一周が約25時間とされており、1日よりも少し長いのが特徴です。
そのため私たちは太陽の光や社会生活によって、このリズムを上手く合わせながら生活しています。
例えば、私たちの身体は朝太陽の光を浴びてから大体14時間で眠たくなるようになっています。

しかし、毎日の睡眠時間がバラバラで生活リズムがくるってしまっていると、この体内時計もうまく時間を合わせることが出来ません。
そのために、眠たくなる時間も、目が覚める時間もバラバラになってしまいます。
無理に学校に行く時間に起きたとしても、眠気や頭痛・倦怠感・食欲不振などの身体の不調が表れてしまうのです。

生活リズムを整えるためには

ここまでで触れてきたように
・必要な睡眠時間をしっかりととること
・朝決まった時間に起きること
はとても大切です。

つまり、【早寝早起き】ですよね。

このためにはまず、早起きを徹底することが重要です。
「早く寝なさい!」と言っても、崩れてしまったリズムでは、その時間にまだ眠たくなっていない、寝られる時間でない可能性があります。

リズムを整えるためには、朝起きて太陽の光を浴びて朝ごはんをしっかりと食べること。

これを続けていくうちに、体内時計のリズムが戻ってきて、自然と夜眠たくなるようになってきます。
ここでまた眠たいけれど起きて活動している、となってしまうと再び睡眠不足のスパイラルに嵌ってしまいますので、眠たくなった時間にしっかりと寝ることが大切です。

現代の子どもたちにとって時間はいくらあっても足りない

特に中学生や高校生になると、学校・部活・塾・習い事・予習復習・友人づきあいと時間を割かなければならないことがたくさんあります。

そんな時間に寝てられない!という気持ちもあるかもしれません。

しかし、睡眠不足が続くと脳の発達にも悪影響がありますし、なにより自分の身体がとってもしんどい状態が続いてしまいます。

大切なのは優先順位をつけることです。
今の自分にとって、どれをすることが一番大切なのか。
部活?習い事?塾?
一度しっかりと、何を優先するべきなのか、考えてみてください。

睡眠障害の可能性

睡眠不足からの身体の不調が来ている場合でも、生活リズムを変えただけでは治らないことがあります。

それが、睡眠障害になっている場合です。

睡眠障害には様々な種類がありますので、一度専門の医療機関にかかられてみることをお勧めします。

もし睡眠や生活リズムの整えにお手伝いが必要なようでしたら、ぜひお気軽にご予約くださいね。

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