
「支援級にしたほうがいいのでしょうか?」
「普通級でやっていけるんでしょうか?」
こんな相談を受けることが、最近とても増えています。
親としては、どちらを選んでも不安がありますよね。
支援級にすれば「この子は特別だ」と思われるかも。
普通級に入れてついていけなかったらどうしよう。
何が正解なのか、答えはどこにも書いてありません。
でも、ひとつだけ言えることがあります。
“正解”を探しにいくより、今の「不安の正体」を整理することが、親子にとって一番の支えになります。
◆「学校から支援級をすすめられた」そのときの揺れ
「お子さん、もしかしたら支援級のほうが…」
そう学校から言われたとき、多くの親が受けるのは“否定されたようなショック”です。
「うちの子は、普通級ではやっていけないと判断されたんだ」
「努力してきたつもりなのに、報われなかった気がする」
「私の育て方が間違っていたのかな」
そんな思いが一気に押し寄せてくる。
でもその気持ちは、「わが子を信じたい」親だからこそ湧いてくる、とても自然な感情です。
◆「どちらがこの子に合っているのか」より大事な視点
制度の枠組みは、「普通級or支援級」の2択かもしれません。
でも、実際に必要なのは「この子にとっての“学びやすさ”とは?」という視点です。
- 先生のサポートがあると安心するのか?
- 集団活動の刺激がプラスになるのか?マイナスになるのか?
- “周囲と比べない環境”で自信を取り戻せるのか?
学びの質は「どのクラスか」ではなく、「どんな関わりがあるか」で決まる。
そしてそれは、親がひとりで決めつけなくていいし、一度決めたらずっと変えられないものでもありません。
◆夫婦・家族・学校との“温度差”に消耗していませんか?
支援級か普通級かの話になると、たいてい出てくるのがこの会話:
夫「普通級で大丈夫だろ。俺も落ち着きなかったけど何とかなったし」
学校「まぁ様子を見ましょう、今すぐ判断しなくても」
父母世代「特別な対応なんて、今の子は甘やかされてる。昔は…」
こうした周囲の温度差は、親の不安を倍増させます。
「誰も本気でこの子のことを考えてくれてない」
「私だけが神経質なんだろうか」
…そんな風に感じてしまうことも、よくあります。
だからこそ、親が“自分の迷いや揺れ”をそのまま出せる場所が必要なんです。
◆カウンセリングでできること:決断の前に、“整理”をする
カウンセリングでは、支援級か普通級かを「決断する場」ではありません。
むしろ、
- なぜ自分は支援級に引っかかっているのか
- 子どもにどんな“未来像”を期待しているのか
- 自分が過去に受けてきた教育とのギャップは?
- 夫との意見の違いに、なぜこんなにも苛立ちを感じるのか?
そういった“揺れている気持ちの構造を整理していく場所”です。
そしてそれが、結果的に「この子に今必要なのは何か」という視点へとつながっていきます。
◆正解は「あとから見えてくるもの」でもいい
子育てって、たとえ最善の選択をしたつもりでも、あとから「やっぱり違ったかも」と思うことが山ほどあります。
でもそれでもいいんです。
大事なのは、その時々で「この子の現状をちゃんと見て、考えようとした」ということなんです。
完璧な判断を目指すより、今の気持ちを誰かと丁寧に扱いながら、動けるようになることの方がずっと意味があります。
◆最後に
支援級か普通級か——
その問いに、正解はありません。
あるのは、「この子と向き合い続ける」という親の姿勢だけです。
「このままでいいのか、わからない」
「今の選択に、自信が持てない」
その揺れを、ただ“感情的な迷い”で済ませないでほしい。
必要なら、一度立ち止まって、一緒に考える時間を取ってください。
カウンセリングでは、あなたの迷いを「弱さ」ではなく、「親としての真剣さ」として受け止めます。
長いお子さんの人生に寄り添っていくサポートをいたします。