自分の子どもなのにかわいいと思えない時がある

子どもを育てるということには大きなストレスがつきものです。
子どもはかわいいばかりではありません。
思った通りになんてならないです。
こちらが心を込めて用意したものも、気に入らなければ一蹴されます。
動けるようになったら、あっちこっちと静止も聞かず自由に動き回ります。
この前まで気に入っていたものが、今日は気分じゃないなんてことも日常茶飯事。
周りはみんなうまくできているのに、どうして自分はこうなんだろう。
そう思ってしまうことも少なくないかもしれません。

「ストレスを感じてる」ということは
今の生活を見直さなければならないサインです。

親なんだからなんでもできて当たり前、なんてことはありません。
親子共に笑って成長していけるために、自分の状態について1度立ち止まって考えてみましょう。

今文字をたくさん読むのがしんどいな、と感じる方もいるかもしれません。
そんな時はとりあえず、最後の”対処”の部分だけでも見ていただければと思います。

育児のストレスによって出現する症状

オウチーノ総研が2015年に行った調査では
育児を行っている女性のうち84%、男性のうち59.5%が
「育児ストレスを感じたことがある」と答えています。
育児へのストレスは多くの親が抱えている問題なのです。

また、育児のストレスが長期間続いていると
うつ状態へとつながってしまうこともあります。
そしてそれが、育児うつ・育児ノイローゼへと変化していく恐れもあるのです。

それでは、育児のストレスはどういった症状を引き起こしてしまうのでしょうか。

  • 些細なことにイライラする
    生活の中の様々なことでイライラしてしまい、子どもに対して怒鳴る・手を挙げてしまうということが
    起こりやすくなります。
    また、周りに対して当たってしまうことも多く、夫婦喧嘩が増えてしまうこともあります。
  • 眠れない・寝つきが悪い・すぐに目が覚める
    子どもも静かに寝ており、寝られる状況のはずなのに眠ることが出来なかったり
    1度ちゃんと休もうと思い、時間を作ってゆっくり寝たはずなのに疲れが取れなかったりといったことが
    起こります。
  • 食欲がわかない、食べ過ぎてしまう
    食べなければいけないとは思うものの、食欲がわかず食べられなくなってしまいます。
    その結果、さらに身体はエネルギー不足となり、状態が悪化する恐れがあります。
    また、過食・偏食といった形で症状が表れる方もいます。
  • 外出したくない、人と会いたくないと感じる
    気持ちが不安定になり、外出や周りとの関わりを避けるようになります。
    反対に、子どもと関わることに強い恐怖や不安を感じ、家に帰れなくなってしまう場合もあります。
  • 物事に集中できない、ぼーっとしてしまうことが多い
    注意力が散漫になることによって
    鍋を火にかけたまま忘れてしまう、鍵をかけるのを忘れて出かけてしまう、などの
    普段なら起こらないミスが起こりやすくなります。
    また、会話にも集中できていないため言葉のキャッチボールが難しくなり
    口数が減ったり、うまく会話が出来ないということが起こります。
  • 計画を立てて行動することができない
    ストレスから思考能力の低下を生じ、物事の手順を考えることが難しくなります。
    ご飯を作る、子どもの世話をするなど考えなくても出来ていたことに対して
    どうしたらいいのか分からなくなってしまい、頭の中でパニックを起こしてしまうこともあります。
  • 様々なことに関して無関心になる、子どもをかわいいと思えない
    好きだったことや得意だったことなどに気持ちが向かなくなります。
    また、自分の子どもをかわいいと感じられず、関心を持てなくなってしまうこともあります。
  • 自分1人でなんとかしなければいけない、こんなことも出来ない自分はダメだと感じる
    出来ていない自分が悪い、親失格だと自分を責めてしまったり
    周りを頼ることは出来ないと感じてしまうことがあります。
    この状態がいつまでも永遠に続くように感じ、打ちのめされてしまったり
    失敗したことが気になって気持ちが落ち着かないこともあります。
    ネガティブな考えばかりに囚われ、偏ってしまいます。

これらのような症状に心当たりのある方は要注意です。
育児のストレスによって、こころのバランスが乱れているかもしれません。

育児にストレスを感じる原因

育児のストレスには大きく分けて2つの原因があります。
それは、身体的疲労と精神的疲労です。

身体的疲労

これは、睡眠時間の確保ができないことに加え
子どもから常に目を離すことが出来ない緊張感からくるものです。

適切な睡眠時間は人によって異なるものの
多くの場合、心身が健康である状態を保つためには7~8時間程度の睡眠が必要であると
考えられています。
これを下回った睡眠時間が続いていると、気分の落ち込みなどの症状が
表れる可能性が高くなります。

また、育児中の場合は短時間の睡眠を何度か繰り返すということが起こり得ます。
これは深い睡眠をとることが出来ていないため、合計で7~8時間を確保できていたとしても
休息となっていないと考えられます。

加えて、起きている間は常に子どもに目を配っている必要があります。
緊張している状態が続くことで、疲労感はさらに高まり
ストレスを感じやすくなってしまうと考えられます。

精神的疲労

精神的な疲労がたまる要因として
周囲からの承認や協力が得られないことが挙げられます。

配偶者や家族など周りからの理解、協力がない状態では
必要なサポートを受けることが出来ず、孤独感が増していってしまいます。
仕事や物理的な距離の問題で、協力することが難しかったとしても
気持ちに寄り添い、頑張りを認めることや
どうしたらサポートが受けられるのか一緒に考えることは出来るはず。
それらも得られない状態では、ストレスが溜まっていく一方となります。

さらに、自分で自分のことを認められない状態にもなりやすくなります。

元々自己肯定感が低い方の場合は自己承認が得られず
やっぱり自分はダメだ、周りと比べて全然できていない、と自分を責めてしまいます。
また、真面目な方や完璧主義の方も自己承認が得られにくくなります。
自分の中で「理想の育児」を作り上げてしまい、それを目標としてしまうからです。
自分でハードルを上げてしまっていることで
そこに至れない自分を責め、認められず、ストレスをため込んでしまうことになります。

育児のストレスへの対処

ストレスがあるっていうことは分かった、自分は要注意の状態にあると思う
じゃあどうすればいいの?と思われるかと思います。

まず、上記のような症状が長期間続いている方は
第一に信頼のできる場への相談をされるのが良いかと思います。
家族、友人、役所の担当部署、病院、どこでも大丈夫です。
あなたの状態を正しく伝えてください。

そのうえで、以下の対処法をご確認いただければと思います。

ストレスと物理的に距離を取って休息を行う

家族に協力してもらう、実家に頼る、子育て支援制度を活用する等
まず子育てから一旦離れられる状態を作って安心して睡眠・休息を取れるようにすることが最優先です。
その時間で自分が楽しめる時間を作ることも、こころのゆとりに繋がります。

家族や実家からの協力が難しい場合は、地域の子育てへのサポート制度を頼りましょう。
子育ては1人で行わなければならないものではありません。

子育てから距離を取れるようサポートしてくれる機関としては以下のようなものがあります。
(大阪市の該当窓口へのリンクを貼っております)

ファミリー・サポート・センター
厚生労働省の事業であり、市区町村に設置されているサービスです。
地域の子育てを援助したい人と、援助してほしい人をつなげるための会員制の制度となっています。
会員制といっても、市区町村の制度ですので登録は難しくありません。

一時預かり事業
こちらも市が行っている事業であり、窓口は各保育所となります。
対象者には「育児に伴う保護者の身体的、心理的負担を解消するため
一時的に保育所等での保育が必要となるお子さん」とあり
育児ストレスから物理的に離れるためにも活用できる制度です。
希望者も多く、すぐに時間を確保することは難しいかもしれませんが
問い合わせてみることは1つの方法かと思います。

ショートステイ
こちらも市が行っている事業です。窓口は各実施施設となります。
原則7日間以内の宿泊を伴う一時預かりとなります。
保育所等での一時預かり同様、育児疲れ・育児不安も対象ですので
ご一考されるのも良いかと思います。

完璧を目指さない

完璧な子育てや家事などは存在しません。
いくらあなたが完璧を目指したとしても、それが達成されることはないと思います。

「こうするべきだ」「こうでないとだめだ」という考え方をしていると
どんどん自分を追い詰めてしまうことにつながります。

掃除が出来ない日があっても、食事が作れない日があっても
決してあなたに価値がないわけではないのです。
それによって時間やこころの余裕があなたにうまれるのであれば
それはこどもにとってもあなたにとってもむしろいいことなのかもしれません。

「こうしなきゃいけない」という考えに振り回されやすい方は
自分の考え方や捉え方を変える工夫も必要であるかもしれません。

比較をしない

子どもにはそれぞれの成長スピードがあります。
周囲の同じ年の子と比べて、うちの子はまだできていない……と不安になってしまうことも
あるかもしれませんが、「この子はこの子のペースで成長している」と考えることが大切です。

そのためには、育児日記をつけるのも良いかもしれません。
今はスマホで手軽に記録がつけられるアプリもあります。
「こんなことが出来るようになった」と相対的な評価ではなく絶対的な評価で
子どもを認めていけることは将来的にも重要です。

一人で抱え込まずに、誰かに相談する

子育てにストレスを感じている時に、一人で考え事をしていても
ネガティブな方向にばかり気持ちが向きがちになってしまいます。

些細な悩みや問題であっても、家族や友人に相談してみましょう。
1人で抱えていたものを誰かに話す、というだけでも気が楽になる部分があります。
また、頭の中で考えていたことを言葉にすることで、改めて整理できたり
新しい視点や発送を得ることができるかもしれません。

家族や友人への相談が難しい場合は、公的な相談機関やカウンセリングルームに
相談にいくことも1つの方法です。

以下は公的な相談機関となります。
(大阪市の該当窓口を貼っています)

区の保健福祉センター
子育てに関すること、子育てで知りたい・分からないことがあれば
どんなことでも相談できます。
必要に応じて専門機関への紹介なども受けられるようです。

クレオ大阪子育て館
子育てに関する総合的な相談を受けつけています。
専門家に相談できる枠もあるようです。

カウンセリングルームでは、ゆっくりと時間を取って
カウンセラーに自分の悩んでいることや思いを話す機会となります。
何をどうしていったらよいのか、何からならば変化させやすいか
あなたに合わせた方法をカウンセラーと共に探っていくことが出来るかと思います。

まとめ

育児ストレスを継続して受け続けていると
不眠をはじめ、様々な症状が表れてきます。
それらは、育児うつや育児ノイローゼにも繋がる恐れがあります。

「育児にストレスがあるな」と思った時は
早めに対処をしていくことが大切です。

子どもにとっても、親にとっても
笑って楽しく過ごせる時間をたくさん持てるように
出来るだけストレスの少ない状態を作っていきたいですね。

一方で、どれだけ対処しても少なからずストレスはかかってくるかと思います。
ストレスにどのように対処していくのがよいかは
ストレスコーピングで説明しておりますので
そちらも是非ご確認ください。

自分ではどうしようもなくなってしまう前に
しんどい気持ちをお話しに来ていただければと思います。

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